『龍明小説3-1』からの続き
龍明小説3-2
「先生はどうやってイエス様の子供の頃の話など知ったのですか?」
「そう聞かれるとちょっと困るんだがね、」
学生時代の長期休暇に、全国を旅して神霊集団を巡り、様々な講話を聞いたことがある。その時ある教祖がそんなことを語っていたのだ。
あれは、天の母様教団?いや聖主教団といったかな、とにかくおばあさんの教祖だった。
当時知り合った信者と文通して情報交換したこともあるから、その時に出た話だったかもしれない。
何にしてもここでそんなことを言ったら、俺のイメージは先生ニムからただの宗教丁稚(でっち)小僧に急降下だ。
そこで龍明は毅然として答えた。
「イエス様が直接、夢の中で霊示してくださったのです」
銀白文の真似をして直接啓示を受けたと言おうとした。が、詳しく状況を聞かれると困ると思って、とっさに「夢の中で」と付け加えた。
質問した男は、納得した様子には見えなかった。
しばらくニヤついたような曖昧な顔つきをしていたが、それ以上何も言わず、そのうちフラリと出て行きそれきりになった。
しかし、チョンファやインジュを始めとし、2、3集まるようになっていた霊的と言われる高齢の婦人たちは、その時から一層目を輝かせて龍明の話に食いつくようになった。
龍明は抜け目なく、チョンファが連れてきたインジュにも、
「誰か連れて来なさい。新しい御言葉の条件である」と念を押した。
すると2週間後、彼女は師範学校を出たばかりだという年若い甥の青年を連れてきた。
その金ウォンピルという名の18歳の青少年は、一見して気弱で内向的で生真面目そうに見えた。
礼拝中は、龍明先生の熱演と周りの霊的なご婦人方の泣いたり叫んだりのオーバーリアクションに気後れし、純粋にオドオドしていた。
(こいつ、チョロいぜ)龍明は思った。
(銀のやつを紹介してやろうか? ヘナチョコ同士でウマが合うぜ?)
彼は内心、ゲラゲラ笑った。
もっとも実際にウォンピル少年が銀白文師のもとに行こうとすれば、命ガケの勢いで阻止し、彼を手放さないことだろう。
この10年後、従順な幹部信者となったウォンピルは、文ノ龍明のお手付き女性信者を妻にあてがわれ、また龍明が別の女性信者に孕ませた赤ん坊を秘密裏に押し付けられて、その女児を実子として育てるはめになる。
長い礼拝が終わり、急造りの説教壇を降りた龍明は、ウォンピル少年のそばに行って座り、言った。
「きみは心の中でいろいろ考え込むタイプだね。瞑想もよくするだろう?」
ウォンピルは気まずそうにうなずいた。
「きみの瞑想には中心点が足りない。これからは中心を求めて祈ってみなさい」
するとウォンピルは頬を上気させて、澄んだ熱い目をまっすぐ龍明に向けてきた。
それから彼は毎週必ず教会に来るようになった。
霊感の方はサッパリだったが、龍明の語る言葉を洩らさず書き取って熱心に学ぶ従順な信徒になった。
(つづく)
参考資料/サイト
https://www.tparents.org/Library/Unification/Books/Sm-Early/Chap06.htm
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2020/04/12 (日) [龍明小説2.5&3]
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