龍明小説1ー3からの続きです。
龍明小説1ー4
縁あって龍明は、かの神霊教団の1つ、新イエス教会の学生メンバーになった。イヨンド(李龍道)系統のイエス教会の集会は、神秘に没入し現実世界も手に入れたい野心ある龍明の気質に合っていた。若く血の気が多い彼は、主との血の混合を説くイエス教会の汎性欲主義的な愛の原理に捕らわれてしまった。
漢江のほとり、明水台にあるイエス教会に足繁く通い、子供たちが集う日曜学校の先生役を務めるようになった。礼拝では大勢の年長の信徒たちの前で立ち上がり、涙に咽ぶ熱烈な代表祈祷をして、婦人信者を感動させた。
祈祷が終わった時、1人の感極まった婦人が駆け寄って来て彼をハグした。ぷよぷよした肉厚の腕でぎゅーと抱きしめてきて、ウチに下宿しなさいよと誘った。
ソウル上京後3年目のこと、彼は下宿先をそのリー夫人の家へ移した。資産家らしい立派な家で、十代の娘が2人いた。
龍明小説1ー4
縁あって龍明は、かの神霊教団の1つ、新イエス教会の学生メンバーになった。イヨンド(李龍道)系統のイエス教会の集会は、神秘に没入し現実世界も手に入れたい野心ある龍明の気質に合っていた。若く血の気が多い彼は、主との血の混合を説くイエス教会の汎性欲主義的な愛の原理に捕らわれてしまった。
漢江のほとり、明水台にあるイエス教会に足繁く通い、子供たちが集う日曜学校の先生役を務めるようになった。礼拝では大勢の年長の信徒たちの前で立ち上がり、涙に咽ぶ熱烈な代表祈祷をして、婦人信者を感動させた。
祈祷が終わった時、1人の感極まった婦人が駆け寄って来て彼をハグした。ぷよぷよした肉厚の腕でぎゅーと抱きしめてきて、ウチに下宿しなさいよと誘った。
ソウル上京後3年目のこと、彼は下宿先をそのリー夫人の家へ移した。資産家らしい立派な家で、十代の娘が2人いた。
その頃、教会内外では霊能力を主張する有力者が何人か現れて、神の啓示・キリストの啓示だと言って男女の信者のマッチングを予言した。
霊能者らは入神し神憑(がか)りになってお告げを語る。
曰く、どこどこの誰々(男)は誰々(女)と結婚して罪のない子を産むだろう。別の誰々は誰々と○月△日に儀式を行い十月十日後に太陽を司る御子を産むだろう。また、かくかくしかじかの次第で誰々は誰々にキリストを孕ませるだろう、などなど多くの予言があった。
そういう中で、清い血統を持った神と同格の人間は性交によって自分の神聖さを他人(異性)に授け渡すことができるという、信仰と言おうか希望的観測と言おうか、そんな奇体な理念が生まれてきた。
古くは古代の中近東や北方ロシアの地方にもあったというから、ロシア辺りから北朝鮮に流れ伝わった土壌があるのかもしれない。
その理屈に基づいて、神に近い清い血を持った教祖と性関係を結ぶと、その信者は自分の霊が清い霊と交換され清い血統に生れ変るという隠れた教えが形作られていった。
それらの行為は一部で混淫事件や性的紊乱事件となって世間を騒がせ、神霊教団グループは「霊体交換派」とも呼ばれるようになった。
救いのために教祖と行う性行為や神のお告げによる性行為は「血分け(ピガルム)」と呼ばれ、一般世間から忌避された。
信者全体からすればごく一部の秘められた出来事で、礼拝等でも公に語られることなく、平信者には隠蔽されていた。しかし耳ざとい者のおしゃべりや目配せ、うわさ話などで、教会内でも知っている人は知っていた。
龍明は興味津々だった。(つづく)
***
参考文献・サイト:
別記事にして後日アップする予定です。

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霊能者らは入神し神憑(がか)りになってお告げを語る。
曰く、どこどこの誰々(男)は誰々(女)と結婚して罪のない子を産むだろう。別の誰々は誰々と○月△日に儀式を行い十月十日後に太陽を司る御子を産むだろう。また、かくかくしかじかの次第で誰々は誰々にキリストを孕ませるだろう、などなど多くの予言があった。
そういう中で、清い血統を持った神と同格の人間は性交によって自分の神聖さを他人(異性)に授け渡すことができるという、信仰と言おうか希望的観測と言おうか、そんな奇体な理念が生まれてきた。
古くは古代の中近東や北方ロシアの地方にもあったというから、ロシア辺りから北朝鮮に流れ伝わった土壌があるのかもしれない。
その理屈に基づいて、神に近い清い血を持った教祖と性関係を結ぶと、その信者は自分の霊が清い霊と交換され清い血統に生れ変るという隠れた教えが形作られていった。
それらの行為は一部で混淫事件や性的紊乱事件となって世間を騒がせ、神霊教団グループは「霊体交換派」とも呼ばれるようになった。
救いのために教祖と行う性行為や神のお告げによる性行為は「血分け(ピガルム)」と呼ばれ、一般世間から忌避された。
信者全体からすればごく一部の秘められた出来事で、礼拝等でも公に語られることなく、平信者には隠蔽されていた。しかし耳ざとい者のおしゃべりや目配せ、うわさ話などで、教会内でも知っている人は知っていた。
龍明は興味津々だった。(つづく)
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2020/01/19 (日) [龍明小説1&2]
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