13 ツル子の復讐
先回の番組は、一時、炎上騒ぎもあったが、“教祖の妻が暴く 統一教の裏側” といった体で、多くの視聴者の関心をひいたようだ。
ツル子総裁の小間使いの日本人信者サヨは、通訳という名目で、次回の番組中スタジオに待機する役を仰せつかった。
先回奇声を発した秘書課職員のように感情的になって粗相しないようにと、今回はおとなしく従順そうな日本人にしたらしい。
総裁の体不調など万が一の際の待機であり、基本何もしなくていい。いやむしろ何もしてくれるな、とサヨは上司から釘を刺された。
…お母様と一緒にスタジオに!?
サヨは興奮して、姉の佳代子に連絡したくなった。
電話すると、番組のことは世間で話題になっているので、姉も知っていて、取材陣に揉みくちゃにされたり危険な目に合いはしないかと妹を心配した。
「多分それは大丈夫よ。テレビ局には秘密の出入口があってね、私たちはそこから出入りするらしいのよ」
「へえ、そんなのがあるのね、それって、どんな所?」
姉妹たちは、佳代子の韓国人夫が電話口でうるさく怒鳴り始めるまでしゃべり続けた。
***
2回目の放送が始まると、司会者は言った。
「今日はまず始めに、統一教の信者のXさんと電話が繋がっています。Xさんは鶴ノ総裁に信者としてぜひ尋ねたいことがあるそうです。ではXさん、質問をどうぞ」
「はい、よろしくお願いします。私は、文先生は再臨のメシア、つまり、イエスキリストが『私はまた来る』と言われたところの再臨主であると教会から教えられ、ずっと信じてきた信仰の若輩者ですが、
この前の番組で鶴ノ総裁が言われたように、原理のみ言がオリジナルではないとすると、どうなんでしょう、文先生は再臨主ではないのですか?」
ツルコは答えた。
「夫は、ヒトラーや毛沢東の伝記を研究し、それを模して、自分の半生を“主の路程”として英雄的に作り上げたのです。
彼は、人類の原罪を解明するのに10年かかったとか、霊界に行って億万のサタンと闘い勝利して、堕落論は3度目にやっと神のお墨付きを得た、など語っていましたが、実際は、金聖道女史や金百文牧師らの教義を取ったパクリ者であり、英雄ではありません。
また朝鮮戦争当時、脚の悪い弟子を背負って、北から南端の釜山まで千キロの道を進んだというのも、毛沢東神話の長征のイメージを模したのです。とにかくあの人は、パクパク、モシモシなのです。
父親を背負った別人の避難民の写真を、当時の自分たちの写真だと偽っていたのはご存じでしょう。
実際あの人が弟子を背負って進んだのはたったの350メートルだったのですから、パクパク、モシモシ、ウソウソなのです。
初期の幹部信徒らはそれに乗っかって、彼の寓話を持ち上げ、大言壮語し、人々を従わせてきました。その方が楽で得だからです。信徒はいくら本当のところを訴えても、認められません。
蜃気楼を拝しているようなものです。
みなさん、そろそろ目を覚ました方がいいでしょう」
司会者: お分かりですか、Xさん。
「うぅ…それが本当ならつらいですね。統一教会の言っていることのどこまでがほんとで、どこまでがウソなのか、わからなくなってきました。
それで、あのぅ、結局、文先生は再臨主ではないのでしょうか?」
「まだわからないの! あの人がどうして再臨の主ですかッ。
田舎のガキ大将にすらなれず、路地裏の指導者にすらなれなかったのに、どうして再臨主になれるのか、おまえが言ってみろ、え?」
信者Xは、「ヒェ〜ッ」という声を残し、電話を切ってしまった。
「鶴ノさん、お手柔らかにお願いします」
司会者が言った。
この時のツル子は、自分を騙し裏切った文教祖や幹部たち、教会組織すら、もうどうにでもなれと手にかけるような気持ちだっただろうか。自分を裏切った夫に復讐するために、我が子を手にかけたギリシャ悲劇の「王女メディア」のように。
それとも、何かを吹っ切って、探究し、率直に言いたいことを言ったというだけなのか。
ツル子氏亡き今となっては、確かなことはわからない。
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この前の番組で鶴ノ総裁が言われたように、原理のみ言がオリジナルではないとすると、どうなんでしょう、文先生は再臨主ではないのですか?」
ツルコは答えた。
「夫は、ヒトラーや毛沢東の伝記を研究し、それを模して、自分の半生を“主の路程”として英雄的に作り上げたのです。
彼は、人類の原罪を解明するのに10年かかったとか、霊界に行って億万のサタンと闘い勝利して、堕落論は3度目にやっと神のお墨付きを得た、など語っていましたが、実際は、金聖道女史や金百文牧師らの教義を取ったパクリ者であり、英雄ではありません。
また朝鮮戦争当時、脚の悪い弟子を背負って、北から南端の釜山まで千キロの道を進んだというのも、毛沢東神話の長征のイメージを模したのです。とにかくあの人は、パクパク、モシモシなのです。
父親を背負った別人の避難民の写真を、当時の自分たちの写真だと偽っていたのはご存じでしょう。
実際あの人が弟子を背負って進んだのはたったの350メートルだったのですから、パクパク、モシモシ、ウソウソなのです。
初期の幹部信徒らはそれに乗っかって、彼の寓話を持ち上げ、大言壮語し、人々を従わせてきました。その方が楽で得だからです。信徒はいくら本当のところを訴えても、認められません。
蜃気楼を拝しているようなものです。
みなさん、そろそろ目を覚ました方がいいでしょう」
司会者: お分かりですか、Xさん。
「うぅ…それが本当ならつらいですね。統一教会の言っていることのどこまでがほんとで、どこまでがウソなのか、わからなくなってきました。
それで、あのぅ、結局、文先生は再臨主ではないのでしょうか?」
「まだわからないの! あの人がどうして再臨の主ですかッ。
田舎のガキ大将にすらなれず、路地裏の指導者にすらなれなかったのに、どうして再臨主になれるのか、おまえが言ってみろ、え?」
信者Xは、「ヒェ〜ッ」という声を残し、電話を切ってしまった。
「鶴ノさん、お手柔らかにお願いします」
司会者が言った。
この時のツル子は、自分を騙し裏切った文教祖や幹部たち、教会組織すら、もうどうにでもなれと手にかけるような気持ちだっただろうか。自分を裏切った夫に復讐するために、我が子を手にかけたギリシャ悲劇の「王女メディア」のように。
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