fc2ブログ

10 日本人妻と不穏な銃




 10 日本人妻と不穏な銃 
    



09 韓国 日本人妻のブルース からのつづき

なぜこんなにも息苦しく、身動きならない不利な立場に沈められてしまったのだろう。


やはり原罪があるからだろうか、
それとも日本の歴史的罪ゆえか?
または、先祖の蕩減なのか、
やっぱり、私が悪いのか?

地域の統一教会に夫婦問題を相談して、余計に追い詰められ、奉仕活動もままならず、精神的負債を感じて教会から足が遠のいていた頃、以前の信仰仲間から、別の礼拝の場に誘われた。

故文教祖の息子のうちの2人が率いる団体で、実母のツルコ総裁率いる統一教団とは対立しているそうだ。そこはサンク教会と呼ばれる。いつの間にか、統一教会は分裂していたのだ。

強引に勧められ、佳代子は分派サンク教会の教義を少し聴いてみたが、心は動かなかった。もう日々の生活がそれどころじゃないというのが実情だった。

いくらカミの言葉だとか、再臨主の正当な後継者などと言われて実体のない言葉にすがっても、虚しい。
だが、そこでは一ついいことがあった。
礼拝の後、教会長が皆を射撃場に連れて行ってくれたのだ。

韓国ではめずらしくない実弾が撃てる射撃訓練場だ。
佳代子は初めてだったが、店のスタッフが銃の選び方や撃ち方を丁寧に教えてくれた。





初めて小型の拳銃をターゲットに向けて撃った時、反動の衝撃をグッと体で受け止めた。

射撃の鋭い余波の波動は、佳代子に何かを一瞬で伝えてきたようだった。

「自分の身は自分で守れ、自分の尊厳は自分で守れ、ばかものよ」と。

それはそれまで押さえつけてきた彼女自身の内面の声だっかもしれない。


大きな声では言えないが、今の佳代子の楽しみは、射撃場で銃を撃つことだ。
その時間は、彼女にも、かろうじて生きている実感が感じられ、元気が出る時間となっている。

サンク教会では、大体月に一度、親睦も兼ねて実弾射撃場へ行くことになっているらしい。
事情が許せば個人でも銃を所有すること、それは教義で推奨されている。

サンクの本拠地、二代目息子教祖らが在住するアメリカでは、信者たちは、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)出身の元兵士から本格的な軍事訓練を受けているとも聞く。

サンクの教義では、サタンの邪悪な攻撃から、それぞれが自分を護り、愛する人たちを護り、神の国の正義を護り抜くことができる強い戦闘力を持たなければならないという。

そして、聖書の黙示録にある[(キリストは)鉄の杖をもって諸国民を治め…]という箇所に出てくる「鉄の杖」とは、現代の「AR-15 アサルトライフル銃」のことだという。

まるで過激派のような教えだが、佳代子には関心が持てないし、あまり気にならない。上の空だ。
本音は、できれば射撃場にだけ行きたいくらいなのだ。だから月一回のその礼拝日には、なんとか無理にでも都合をつけてサンク教会を訪れる。

射撃を終えると、スコア表が出てくる。
「カヨコさん、今日の点数が高いです。腕あげました、すごい、すごい」
帰りがけ、射撃場のスタッフに日本語でほめられるのがとても嬉しかった。

佳代子は、この頃はまだ、なんとか心のバランスを保つことができていた。
(つづく)





>「自分の身は自分で守れ、自分の尊厳は自分で守れ、ばかものよ

ばかものよ” が、意味不明で伝わらず、誤解を生じるかもしれないので少し説明します。

これは自分で自分に言っているようなものです。
以下に引用した詩の最後の部分もそうです。
この素晴らしい詩を思い出していました。
詩中の「なにもかも下手だったのはわたくし」が印象的。
言葉遣いが美しい。昭和の品格が感じられます。

(小説が)なにもかも下手だったのはわたくし、ということにもなるのですが、限界もあり経験も足りず、ネット時代、遅々細々とでも小説を紡ぐ経験が持てているのはありがたいことです。


教養の時間:『茨木のり子詩集』

「自分の感受性くらい」 茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

https://kajipon.sakura.ne.jp/kt/shisyu.html 
 かつて戦争で生活から芸術・娯楽が消えていった時に、胸中で思っていた事をうたいあげた詩とのことです。





味深い記事だと思われた方は
クリックをよろしくです↓
 ありがとう p(*^-^*)q

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 家庭連合へ
にほんブログ村
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 家庭連合 批判・告発へ
にほんブログ村
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へ
にほんブログ村






関連記事
スポンサーサイト



コメント

サンク予備知識
日本では銃所持は犯罪。
アメリカでは護身用に、特に女性は必要なケースも多い。
今のところ、武装宗教団体、オ〇ムのような問題が無いのが、救い。
本家の家庭連合のフェミニズム化によって、派生したとも言える。
神観も韓鶴子の神は、限りなく女性神に近い。
陰謀論の影響を強く受けている。
Qアノンの思想に類似。
かつて、統一教会もフリーメーソンの陰謀論の類似性を指摘したかたがいましたが、また、源泉は違うように思えます。
まだ、ありますが、参考までに書いてみました。
Re: サンク予備知識
piscさん、コメントをどうもどうも。

>日本では銃所持は犯罪。

日本では拳銃所持は犯罪。猟銃や空気銃なら免許制で所持できるけど、審査の条件は厳しいということですね。

韓国は徴兵制や兵器工場があるからか、日本よりは緩そうです。空気銃は許可なしでOKとか。

>陰謀論の影響を強く受けている。Qアノンの思想に類似。

確認ですが、これは家庭連合のことではなく、サンクのことですね。
そういう自覚はあるわけだ。
ネセラゲセラやEBS(世界同時緊急放送)までは信じちゃいないよねw

管理者のみに表示