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08 ショック受け、ツルコ総裁は出演決意


08 レコーダーの中身と
     ツルコ総裁の出演決意



一人になったツルコは、レコーダーのスイッチを入れた。
覚悟はしていたが、内容はそれ以上のものだった。(前回より)


(レコーダーから漏れてくる幹部たちの話し声)
「ーーお父様とお母様で真の父母なんだから、それを独生子・独生女と言ってもいいが、統一原理では、あくまでも男が主体、女が対象であるからして…」
「それを鑑みるに、最近のお母様の主張は、過激で、」
「行き過ぎだろう」
「信者らが不信感を抱いて遠ざかり、三男や七男の分派が“母の過ち”と騒ぎ立てて活気づく」

「しかし、真正面から反対すれば、報奨金がなくなるし、下手をすれば首を切られるぞ」
「だから、褒めて適当に誤魔化すしかないだろう?」
「うまく賢く丸め込むってことか?」
「うむ、それだってそんなに長くないはずだよ」
「もう少しの辛抱ってか。なにしろご高齢だからなあ」
「病気もあるしな」

そしてヨンホゥ本部長の声がこう言った。
「まあ遠からず、真の父母の御二方がこの世にいない時勢が来る。その時は組織にも教理にも調和が戻ってくるはずだ。だから今、独生女に反対するにしろ、賛成するにしろ、後から不信を招かないために、なるべく論の証拠を残さないようにしたほうがいいだろう」

それから、日本の元首相銃撃事件の問題に話題を変えて、ミーティングは続いていた。
その内容を、ICレコーダーで全部聴いたツルコ総裁は、全てに深くショックを受けていた。

ーー信じられない。最初に独生女論を認めてくれたはずのヨン舫が、今はそれを隠蔽しようとしているとは…

このままでいけば、独生女の存在は掻き消され、なかったことにされるだろう。
私が死ねば、教団は、真の父母を適当に神格化し、文鮮明は偉大な再臨主。結局、元の木阿弥?
彼女はそれをヒシヒシと感じた。

ユン・ヨン舫はじめ、あの者ら、軒並み人事異動にしてやるわ。
必要なら、思い切ってやってやるわ。
でも、そうしたところで、また同じようなことにならないという保証はない。
ああ、頭が痛い…

それに、あの日本の事件。
容疑者の母親が教会員で、高額献金していたことをきっかけに、日本のマスコミが統一教会を激しく批判しているのだという。
日本教会のタナカ会長が謝罪会見を開き、それが全国放送されたのだが、視聴者の反発が強く、えらく評判が悪かったのだそうだ。
そういったことについては、ツルコは蚊帳の外に置かれ、この時点で初めて知ることになった。

(レコーダーから流れる幹部たちの声)
「…タナカのヤツ、会見やるなら絶対強気で行けと命令したら、ヘタこきやがって。もっとさ、こう…自分でうまくやれっての!」
笑い声が重なって続いた。
「それより、こういった事、総裁はご存知なのか?」
「誰か、報告したか?」
「いや、たぶん、誰も…」

かつて、ブラック・フンジンこと黒人のクンディオナ兄弟が反対派に寝返って、日本で教会内部のスキャンダルを暴露する記者会見を開いたことがあった。それをアラスカで文教祖に報告したある日本人の幹部は、気の毒なことに、機嫌が悪くなった文教祖にその場で暴力を振るわれ、ボコボコに殴られて複雑骨折を負った。
都合の悪い報告をすればどうなるか、彼らはみな経験で知っていた。殴られ損だ。

「ツルコ総裁は女だし、まさか、そこまではやらんだろうが…」
「いや、分からんぞ。もっと怖いことになるかもしれんぞ〜」
また笑いが起こった。

ーーああ、ほんとに頭痛がしてきた…
その日、ツルコ夫人は、夜中に高熱を出し、3日間うなされながら床についていた。

やっと熱が引いて、体力が戻ると、久しぶりに秘書室に顔を出した。

「あら、お母様! 大丈夫でらっしゃいますか?」
「まあまあ、お元気になられて本当によかったわ」
「心配しました。皆でお祈りしましたわ。本当にうれしいこと…」

ベタベタした挨拶が終わると、室長のヲンジュは言った。
「お母様、テレビのインタビューや出演依頼がたくさん来ていますが、もちろん全部断っています。ええ、例の日本の事件がらみで…」
「出るわよ」
「へ?」
「出演するって言ってるの。一番良さそうな所を選んで、OKを出してちょうだい。少し準備があるから、来月以降にスケジュールを組むように。それから、いつもの教授たちを呼んでちょうだい、今すぐに」
「は、はいっ」

ーーあの頃は、夫が、特に日本に対して、激しく要求して、やりたい放題したから、そうなったんじゃないの。
 出るわよ、私が謝罪してやるわよ。そして広く知らせてやるわ、夫の行状を。 元の木阿弥なんかにさせないわ。

このツルコの決意がとんでもないことにつながっていくのだった。

    (続く、はず)




近況:
ゼロポイントフィールド関連の本を3冊読んで、創作に戻って来れなくなっていました。
でもそれが創作にも必要だったのです。精神を強く、深くするために。

仮説ではあるけれど、目下、内側からピンときた
ゼロポイントフィールドについて、少しだけ↓↓↓


動画の最初の部分は、統一原理のニ性性相の講義を思い出します。
(原理講義に利用されないといいのですが)
堕落論を信じて自己否定したり、救われようとして自称メシアにすがったりしたら、ゼロポイントフィールドには通じません。壁を作ってしまいます。





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