「集団訴訟が必要では? 実用的でない信者たち/20-6」からの続き
地獄篇のはじまり
ーー知らずに 望んで 地獄行き
さあ、行ってみよう。
文先生と みんなで行けば 怖くない(?)
霊ノ龍明小説 20-7
〈先回より〉
ーー金を俺の懐中(ふところ)に入れたとか悪口を言っているようだが、金は万物の象徴であり、力の象徴なのだ。俺の主管下に集めるのは当然じゃないか。何が悪い!//
ーー金を集めれば、人が集まる。人を集めれば、金が集まる。
人と金が集まれば、影響力が復帰できる。
神を中心に理屈を回せば、原理はどうにでもなる。
影響力を持って、出来合いでない天国を建設するのだ。
だが、ハタと気づくと、この国では、人がいくら集まっても、金は少しも集まってこない。もともとお金が流通していないのだ。
地表に近い低層とはいえ、曲がりなりにも、ここは霊界。
ご飯は、願えば目の前に出てくるし、基本、食べなくてもいつまでも生きていける状態なので、お金など必要ないのだった。
ーーだから俺の影響力も強まらないのか。
教団は、幹部たちが勝手に動き回り、平信徒たちは、その国の名前のごとく不安や不満を募らせているばかりだった。
実は、先だって龍明は、もっと質の良い人々を求めて、天界のほうに行こうとした。
ところが、天界の村の入口に近づくに連れ、人々の味わっている喜びを奪えないことがわかった。
つまり、どうやっても自分の信者にはできないと知ると、もう他人の持っているものが欲しくて渇望が増すばかり。
彼は苦しみ始め、天界ではなく地獄にいるように感じ、一目散に元いた場所に逃げ帰ってきたというわけだ。
そんな頃、彼はこのような話を耳にした。
「この街道をずっと下って行くと、働く人々の都市がある。
そこでは工場が連なり、ありとあらゆる品物が大量に生産されている」
龍明は思った。
ーーお? 工場ならば、俺も地上で持っていた。
最初は銃の製作所から始めたな。なにしろ俺は最新式の銃の特許を取ったから、工場はどんどん大きくなった。
それから石材工場もやったな。大理石の壺や…何と言ったか、五重の塔を小さくしたような置物を作り、何百倍もの値段で信者に売らせた。
それらで大儲けをしたものだ。
待てよ、そういう国があるのなら、俺もそこで工場をやる権利があるはずだ。
そこなら金もたくさん集まってくるだろう。
よし、ここ「不安の国」の教会はひとまず幹部たちに任せておくとして。
ああ、お父様の路程は、常に苦難の開拓の道だと言うんだね。
さて、街道を下ってその「労働者の国」とやらに行ってやろうじゃないか。
そう決意すると、急にまわりの景色が消え去り、霊ノ体ごとグーッと引っ張られるように、次元を超えて彼は下降して行った。
途中で、体の奥の方がズルズルと崩れるようなヘンテコな気分がした。
彼は気づかなかったが、その時、有名な “地獄の門” を通過したのだ。
この門には次のような文字が黒々と刻まれている。
“憂いの国に行かんとするものは、この門をくぐれ
永遠なる苦痛に遭わんとするものは、この門をくぐれ
この門を過ぎんとするものは、一切の望みを捨てよ”」
(ダンテ『神曲』地獄篇より)

ダンテらが佇む「地獄の門」
挿絵:ギュスターヴ・ドレ
地獄の一丁目に本社がある「地獄新聞」に、新規住人紹介の欄がある。
毎日多くの政治家、宗教家、有名人などが地獄入りするが、そこに小さく龍明のことが載っていた。
〈知る人は知る 知らない人は全く知らない かの文鮮明(龍明)教祖が、先ほど地獄の門を通過。
第一界と二界を素通りし、当面は、地獄の第三界「唯物の国」に留まる運びとなる模様…〉
***
着いたそこは一大都会だったが、見渡す限り工場と倉庫ばかりの陰鬱な街だった。
参考
『ワードの死後の世界』ワード
『天界と地獄』スウェーデンボルグ
『死後の真相』日本心霊科学協会
『神曲 地獄篇』ダンテ

『神曲』より 地獄の構造 7段階
挿絵: ボッティチェリ
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2022/03/01 (火) [霊の龍明小説 20 ]
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