「霊ノ龍明、霊界伝道、始まる…/20-3」からの続き
亡霊が出た、
何とかしてくれ。
できません。
霊ノ龍明小説 20-4
文牧師の言う通りに天国の喜びを祈り求めたところ、地獄の責め苦のような苦しみに合ってしまった不安の国の住人たち。
ここは霊界だ。地上とは違うのだ。
地上で「天国の喜び」と言っても、結局それぞれの想像の世界で空想するだけで、都合良く、あいまいに流してゆくことができた。
だがここではガチなヤツが降りて来る。
ごまかしは効かないぞーという、それは新参者・文ノ龍明に対する霊界からの警告だったのかもしれない。
彼らは、数時間、のたうち回り、数日間、寝込んだ。
そしてやっと元の状態に戻ると、立ち上がり、龍明を真似て伝道を始めた。
不平や口論が多い不安の国の国情をうまく使い、
「イライラさせられる不快な生活から完全に解放される新しい真理が出現した!」
と宣って、人々に龍明教会を信じ込ませ、主管下に置き、手下にしていく。
彼らは活動的だった。
教えに実質的なものがないのは分かっていたが、ここにいる人々は、相手を策略にかけ、陥れようとしたり、陰謀の裏をかいたりするのが大好きなのだ。
手下が手下を作り、その手下がまた手下を作って手下がどんどん増えてゆく。
影響力が欲しい龍明にとって都合がよかった。
「もっと広がれ。為に生きろ。どんどんやれ」
中には、際限のない争いに心底うんざりし、もっと穏やかな境涯を切望し、悔悟の念が芽生えている霊もいた。
そういう霊は自らの指導霊に導かれて上方の国に移動し、そこで自分に合った修行を始めることになるので、この国の教会からは人知れず消えていった。
残るのは、結局自分のために教義を使う自己中心や、霊的に貧弱な依存者たちばかりだった。
この国はもともと争いが絶えなかったが、龍明教祖が来てから、為に生きるだの、天国建設だの、悔い改めだのと、中身のない偽善的な言葉が氾濫し、教会周辺はますます混乱をきわめた。
信者は、持っているなけなしのものを捧げ、タダ働きをし、エネルギーを吸い取られるので、不満が膨らんでいく。
それに呼応するように、不思議な人たちが龍明の周りに出現し、彼を取り囲んだ。亡霊のように行列になって側を通り過ぎて行くこともあった。
ある時は、寂しく恨めしい顔つきをした婦人たちの一団が、彼に取り付いて言う。
「あなたの教会の草創期にどれだけ献金したでしょうか。
「サタンの血統から神の血統にすると言って、私たちの貞操を犯し、
「婚家の財産を捧げれば神様が喜ぶとあなたは何度も言い、
「無理だと言えば地獄に行くと脅し、命をかけても財産を差し出せ、と。
「結局、夫からは離婚され、息子たちはそっぽを向き、
「娘たちは生涯あなたの妾にされて、私生児を生んだ…
「時が流れて、私たちが教会に捧げた資産・財産は全部あなたの家庭の個人名義に移されてしまった
「先頃の裁判資料によれば、文一族の財産は600億ドルにものぼるというじゃありませんか
「献金は教会のためのもの。文一族の個人のためのものではないというに…
「ああ、悔しい… 悲しい… 恨めしい…
目をつぶっても見え、耳を塞いでも伝わってくるその想念。
この亡霊たちは、アストラル体の影だった。
実際の彼女たちの実体である魂は、霊界の奥の方にとっくに去って、それぞれの境涯に従って自由に暮らしているのだろう。
ここは広義の霊界ではあるが、まだ死んで間もない霊や、地上の垢を落としきれない未熟な霊たちがいる精霊界(アストラル界)と呼ばれる場所(次元)だ。
このアストラルの殻である亡霊に実体はなく、龍明の潜在意識とエネルギーの反映に過ぎないのだが、本人には実際にそこに出没しているように見える。
様々な亡霊がゾロゾロ行列になってやってきた。
中にはアストラルの殻の亡霊でない本物の魂も混ざっていた。
彼らはおぼろげな様子のアストラルの影たちとは様子がだいぶ違って、ずっと存在感と活力があり強そうに見えた。
時には、まだ地上に生きている人間が、夜中に見ている夢の中から出張して精霊界にやって来ることもあった。
龍明はそういった因縁の存在に悩まされていた。
ーわぁ、もうどうにかしてくれ、やめてくれ〜。
地上で信者の家族が怒鳴り込んできた時のように、おばさんの家に逃げて隠れることはできない。
良心の呵責を感じ、十分に悔い改めれば、両者を繋いでいた連結が断ち切られ、亡霊は消滅してゆくのだが。
最初の霊界学校の教師の言うことをちゃんと聞いていればよかったのにね、文鮮明さん。
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「龍明小説(最終回)/20-10」
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「亡霊が出た、何とかしてくれ。できません。/20-4」
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