南米で
威張っちゃダメダメ、
文先生
龍明小説9-8
70年代最後の米国ギャラップ世論調査では、文鮮明氏の評判は最悪で、これまでの世論調査で最も否定反応があった人物の1人となり、彼に匹敵するのはフルシチョフとカストロだけだったという。(過去記事より)
いくら社会で評判が悪いとはいえ、彼が韓国や米国で莫大な投資をする富裕な人物になっていたのは間違いない。
それから彼は「神の名の下に普遍的な正義を広めることができる新聞社を作らなければならな〜い」と語って、76年にはニューヨークで『ニューズワールド』を創刊した。
ニューズワールド紙は、79年の大統領選が終わる前に、共和党のレーガン候補「大勝利!」と報じ、時の大統領の覚えめでたい新聞となって、文教祖の政権トップ層へのアクセスが可能になった。
80年代に入ると、文教祖の組織は現金であふれかえった。
日本の霊感商法で人々からむしり取った金を、信者たちが荷物の底に隠し入れ、税関をすり抜けて運び込むことが政府の調査でほぼバレていた。
82年には、保守系の日刊紙「ワシントン・タイムズ」が創刊された。
新聞事業は年間1億ドル以上の損失があったが、文教祖の命令一下、献金が日本信者の使命だとして、1時期は毎月100億円もの送金の要求が続いていた。
南北アメリカを繋ぐカウサ(CAUSA)という政治部門を作り、ニカラグアのコントラ(反乱軍ゲリラ)にも大量の資金を流した。
1980年に設立されたカウサは、朴ポヒがラテンアメリカの右派や軍事独裁者たちに会い、南米を回ったツアーの後に設立された統一教会の主要な政治部門だ。
メディア、政治、動産•不動産‥‥日本から流出する資金を使って 世界中で様々な事業を買収したが、後にはそのほとんどが失敗に帰したという。
アメリカではレーガン大統領のお墨付きを得て、保守派の資金提供者になっていたが、文鮮明の組織には問題があった。
非課税の地位が危うくなっていたのだ。
1981年、ニューヨーク州の最高裁判所は、文鮮明教団を教会というよりもビジネスと判断した。
当時、教団のグローバルビジネスの年間総収入が5億ドルを超えていたことを考えると驚くことではない。
それに文組織のビジネス体と宗教体が、人材と資金を安易に共有する事実上の団子状態なことも、先の政府の調査でバレていたからなおさらだ。
教団の所有地が多くある郡の自治体は、免税した分の納税を求めて訴訟を起こし、その他の訴訟も続いた。
そして1982年、文鮮明と弟子1名は税金詐欺、偽証罪、虚偽文書に関わる共謀罪、司法妨害の罪で有罪判決を受けた。
教団は共和党の活動を支援するために何百万ドルも使っていたのだが、レーガン政権は彼の税法違反に関する恩赦を拒否。
傷心の文教祖は、罰金納入と連邦刑務所に13ヵ月間収監される実刑を受けた。
文の弁護士は判決を不服としてさらに2年間裁判を続けたが、教団の財務本部を別の場所に移さないと今後も危ないことになるだろう。新しい会員数の伸びもとっくに頭打ちになっている。
文教祖は、自分の組織と影響力をもっと大きくするには、アメリカ国外の方が良いと判断した。
南アメリカに位置するウルグアイは、アメリカ大陸のスイスと呼ばれるほど、銀行システムの秘密主義で知られていた。
首都のモンテビデオは、外国人富裕層が現金を隠せるオフショア銀行の中心地となっていた。アメリカほど法律や規制が整備されておらず、外国人に緩いフレンドリーな法的環境なのだ。
人々は教育を受けておらず貧しいから、良い生活を約束するメッセージを与えれば、簡単に受け入れるのではあるまいか?
ウルグアイは、政情が不安定だが自由な銀行システムがあり、それが麻薬資金のロンダリングの場としても機能していたような場所だった。
現地のムーニー幹部は、朴ポヒが設立したケイマン諸島の教団支配の銀行「カミ・リミテッド」から提供された資金を使って、国内第3位の銀行の株式をひそかに買い取った。
こうしてウルグアイで、文は大手銀行バンコ・デ・クレディトを手に入れることができた。(98年経営破綻)
タイミングが良かった。この期間、ウルグアイ政府は、金融危機を受けて、外国資本の誘致に躍起になっていた。特に、大量の外貨を生み出す銀行システムには、外国資本が必要だった。
それでウルグアイの22の銀行のうち20の銀行が外国人投資家の手に渡ることになったのだ。
高級ホテルや新聞社の買収も始めた。
83年には、41階建ての新しいホテルと会議場建設の計画がスタートした。軍政府は、このホテル群を「国益にかなうもの」として、輸入関税を免除する宣言書を提出した。
また、軍は地元の3紙のうちの1紙を文が買収し運営するにあたり、税制上の優遇措置や公共広告収入を援助した。
ムーニーは軍部寄りの反共プロパガンダを行い、ウルグアイ国民が時に大規模な街頭デモで政治制度の民主化を求めていた時に、軍部政府はさらなる弾圧で対抗した。
80年代後半には、文は首都モンテビデオに非常に多くの財産を所有していたため、地元の人々は皮肉を込めてこの地を「ムーンテビデオ」と名づけた。ムンテビデオにある文家所有の家は、そびえ立つ宮殿のような建物だ。
文教祖は教団内部に対しても、ますます独裁的になりつつあった。
原理講論を書いた年上の弟子劉孝元が亡くなってからは、劉の原理に則した賢明なアドバイスを受けられなくなった。
ある意味目の上のたんこぶが無くなった龍明は、羽目を外し、自分をうんと高い台座に登らせて、誰もが頭を下げるのが当然だと偉そうに話すようになっていった。
参考資料
https://tragedyofthesixmarys.com/moon-in-south-america/
Chicago Tribune December 8, 1994 by Kerry Luft
2000年 BBCドキュメンタリー
「Reputations: Sun Myung Moon, Emperor of the Universe」
Hot Money and the Politics of Debt (1987, 1994, 2004) pages 152-162
by R.T. Naylor, professor, economics, McGill University and the author of many books, including Economic Warfare
Consortium News, 1998 by Samuel Blixen
https://ameblo.jp/1234ac0429/entry-12685489325.html
「日本統一教会失われた40年歴史」
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