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恐ろしくも修了:フレーザー報告書の段/9-5


『年金て嘘つくな/古参二世の手記/9-4』からの続き



フレーザー調査報告書の段
 :恐ろしくも修了





   龍明小説9-5


フレーザー小委員会の調査は、朴ボヒらの強硬な姿勢のせいで、予定よりも多くの時間を割くことになってしまった。

朴ボヒの尋問の際ひどく手こずった委員長は、文鮮明の時はもっとひどい目に合うのではないかと不安になったが、多くの証拠が文教祖の関与を示唆しているため、渋々ながらも彼を尋問することにした。

まずスタッフによる非公式の聴聞の要求を出したが、文の弁護士はそれを断った。そして次のような提案をしてきた。
フレーザーらがハドソンにある文の屋敷に来て、霊的指導者の威厳を損なわない方法で会合を行うことが条件だ。それなら検討してもよいと言った。

フレーザーは、ベルヴェディアを巡礼し新メシアに謁見などには全く興味がなかった。小委員会はすでに文の召喚状を発行しており、フレーザーはそれを利用する準備をしていた。

彼は文の弁護士に、文が自発的に質問に答えることに同意するまで2週間の猶予があると伝えた。それでも彼が拒否すれば、フレーザーは召喚状を出すつもりだった。そうなれば、文は6月13日に予定されている公聴会に証人として出頭しなければならない。

2週間の猶予が切れる直前の78年5月13日、文は偽名を使ってコンコルドでロンドンに飛んだ。

状況が厳しくなり、ギリギリで国外に逃亡した‥としか思えない。
朴ボヒは、フレーザーが文の国外脱出と召喚状の期限が関係していると言ったことに激怒した。文師は以前から伝道活動をヨーロッパで行うことを計画していたのだと主張した。召喚状については、師は帰国後に裁判所で争うことになるだろうと朴は発表した。

だが文は、発表された戦いのために帰国することはなかった。フレーザーの調査が終わった1週間後の1978年11月まで、彼はイギリスや韓国など海外に滞在していた。


ムーニーに迫るのは、フレーザーだけではなかった。
韓国文化自由財団(KCFF)は、1976年以降、ニューヨークで寄付を募ることを禁止されていた。州の社会福祉委員会は、KCFFが子供救済基金のために集めた資金のうち、7%以下しかその目的に使用していないことを発見したからだ。

77年9月には米証券取引委員会が、18人の名前で銀行株購入をした件で、朴ボヒ証券取引法違反で告発した。(株売却と今後しないと約束する同意書により和解)


フレーザー小委員会が集めた膨大な証言や財務記録、調査報告書は、統一教会のイメージを大きく損なうものだった。
文の組織が、恐らく韓国のスパイ機関KCIAの“政治的な手先”であること、米国の税法、移民法、銀行業務・為替法および外国代理人届出条例法を組織的に侵害していることなどが判明したのだ。

78年10月31日に出された公式調査報告では、
“文鮮明が率いる統一教会とその他多くの組織は、本質的に1つの国際組織を構成しており、政教分離を廃止し、文とその信奉者によって統治される世界的な政府を樹立することを目標としている。”
との懸念も示している。

一宗教教団の世界統治の夢(世界征服の野望)に懸念とは穿ち過ぎとの見方もあるが、実際統一教会は80年代、レーガンやブッシュ政権の追い風に乗り、主に日本の霊感商法からの莫大な金に飽かせて、米国や南米で少なからず世界の動向に関わることになる。その影響力を懸念する声が上がったのは当然だろう。

70年代最後の米国ギャラップ世論調査では、文鮮明氏の評判は最悪で、これまでの世論調査で最も否定反応があった人物の1人となり、彼に匹敵するのはフルシチョフとカストロだけだったという。


さて統一教会は、フレーザー議員に対して3000万ドルの訴訟を起こし(後に却下)、彼の選挙区であるミネソタ州に勝共連合のグループを送り込んで、フレーザーの対戦相手の応援に取りかかった。
そして彼の上院選出馬計画を撃沈させる激しい個人攻撃キャンペーンに乗り出した。


その選挙期間中、フレイザーの地区事務所には爆破予告があり、州内の他の場所にある彼の事務所は放火の脅しにさらされた。
僅差で敗れた選挙の5日後、フレイザーの家が放火された。
誰の仕業かはわかっていない。

「ワシントンのフレイザー下院議員の自宅の火事。フレーザー夫人と娘のジャンヌは、友人との夕食のために隣家に行った際、裏口の鍵を開けたままにしていました。宿題をするために30分ほどで帰宅したジャンヌは、3階建てのエントランスのない階段の下から火が出ているのを発見しました。消防署の調査では、床に撒かれた溶剤が原因であり、あと15分発見されなければ、この家は助からなかったと結論づけられました。」

これらは当時の地方新聞の記事からです。
犯人は分かっていないが、プロの仕業だろうか、恐ろしいことである。


統一教会と韓国のCIAとの関係を調査していた小委員会の活動も、フレーザーの上院予備選敗北で終わりを告げた。

韓国に戻っていた文氏は報告を聞いて大いに喜び、フレーザーが天の意思に反したために神が選挙に負けさせたと言った。
信者らは思った。「お父様の予言が成就しつつある。神の敵が罰せられたのだ」
(お父様:文鮮明教祖のこと)

文教祖は少し前にこのような予言というか復讐の誓いというか、を語っていた。
「今までは世界が統一教会を迫害しても何も起こらなかったが、これからは違う。我々に敵対する人々や組織は罰を受けることになる。徐々にあるいは急激に衰退し、死んでいく。多くの者が死ぬだろう。」(「蕩減と統一」より)


以前も触れたが、
参考資料にした書籍「Gifts of Deceit」(1980)の著者ロバート・ベッチャーRobert B. Boettcher氏は、フレーザー小委員会の調査のスタッフ・ディレクターでしたが、84年に享年44歳でセントラル・パーク・ウエストの自宅アパートの屋上から不審な転落死を遂げている。
家族が増えたばかりで新しい仕事の計画もあり、自殺はあり得ない生活状況だったとのことだ。
自殺か事故か殺人か、謎は謎のまま‥‥


‥‥プロの仕業だろうか、恐ろしいことである。


ドナルド・フレイザーは、その後、ワシントンを離れて故郷のミネアポリスに戻り、1979年に市長に当選してから13年間、市長を務めた。
ミネアポリス史上、最も長く奉仕した市長であり、最長寿の(元)市長として、2019年に95歳で亡くなった。
https://ja.wikinew.wiki/wiki/Donald_M._Fraser
2012年に92歳で亡くなった文鮮明より長生きしたことになる。
三氏のご冥福をお祈りします。

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▲ Donald M. Fraser, US House of Representatives (1963-1979), Mayor of Minneapolis (1980-1993)
印象操作されていた教会員当時は「なんという悪魔っぽい顔なのだ」とイヤ〜なカンジを抱いていましたが(ごめんなさい)当たり前ですが今はそうは感じません。濃い顔をしていただけなのね。それどころか若い顔だとも思う。それだけこちらが歳をとったということです。南無阿弥陀仏、感無量ーー


***

そんなこんなで、文教祖と統一教会はいろいろな努力をしたが、数年後の1982年、共謀罪と脱税の罪で裁判にかけられ、有罪判決を受ける流れとなり、
文教祖はコネチカット州ダンベリーの連邦刑務所に13ヵ月間収監されることになる。







参考資料

Gifts of Deceit (1980) by Robert B. Boettcher
▲ https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/182536406323/gifts-of-deceit-chapter-12-dueling-with-the

▲ https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/182538668833/gifts-of-deceit-chapter-13-the-menace



▲ https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/143020290548/moonie-dirty-tricks-against-donald-fraser
ドナルド・フレイザーに対するムーニーの「ダーティトリック」について


The Mysterious Death of Robert Boettcher in 1984
The New York Times May 30, 1984
Robert Boettcher, Staff Chief In House Inquiry, Dies in Fall
下院調査のスタッフ・チーフ、ロバート・ベッチャー氏が謎の転落死
ニューヨークタイムズ
▲ https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/143112705058/the-mysterious-death-of-robert-b-boettcher







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コメント

No title
おはようございます。暗在さん。

今回は、フレーザー小委員会ですね。

宇宙神羅万象が神様の創造によるものであることを否定する、唯物思想、進化論を信奉するF氏のことですね。

文先生からです。

 八大教本天聖教  宇宙の根本
第1章 四 進化論か創造論か
 1.進化論の根本的な誤り
(3) 愛の論理から見るとき、進化論は間違っている

「進化論がキリスト教を破壊させるのに、どれほど貢献したか分かりません。しかし、今、進化論を私の手で握りつぶすことのできる時代が来たというのです。進化論を信じますか、信じませんか。文総裁の話を信じますか、進化論を信じますか。今、整理して越えていかなければなりません。これはうそだというのです。
愛の力は何千万代を経るのに、アメーバがそのまま何千段階の愛の門(雌雄の生殖器)を通って人になることができますか。アメーバ自体がそのような能力、飛翔天することができるそのような資質をもつことができますか。」

「進化論を片づけてしまいなさいというのです。進化論がある前に、そのような雄、雌の思想があったということを知らなければなりません。宇宙の神秘な秘密の中に隠された秘密、そのような秘密であり、今まで人間が知らずにいたのが雄、雌の概念であり、この概念が宇宙を形成したという、主体・対象関係で宇宙を形成したということを知らなければなりません。進化論が先ですか、雄、雌の概念が先ですか。雄、雌の概念です。イエス様がこの地に来て雄、雌の概念を革命しようと言いましたか、言いませんでしたか。」

「進化論に愛の論理がありますか。なぜ凹凸が生まれたのかという理論的な根拠を語っているのかというのです。それでは、進化論が先ですか、雄、雌の概念が先ですか。どちらですか。雄、雌が先です。雄、雌が先ですか、愛の概念が先ですか。どちらですか。愛ゆえに雄、雌が生まれたのです。」




No title
特殊な自分の信念をごり押ししてくるten1kokukateiさん、
オール統一分派一派の行状とコメントとして残しておきますが、今後は控えてください。

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