前回記事、郷愁の「自由アジア・ラジオ」の摂理/7-5 の続きです。
KCIAの介入でラジオ放送成功?
米国が騙され泣いた摂理
こうして騙されていく‥‥
文鮮明(龍明)教祖の67年の御言葉:
ーーそれで中共に対して、アジア、東南アジア、共産圏に対して今放送やっておるよ。自由アジア放送局として今やっておるんだよ。
(末尾参照)
龍明小説7-6
The target date for ROFA’s first broadcast was August 15, the anniversary of Korea’s liberation from Japan.
自由アジアラジオ(ROFA)の初放送は、8月15日の解放記念日を目標にしていた。
この日は韓国が日本から解放された記念の日であり、朴が何ヶ月も前から決めていたものだ。
しかしそれは不可能に見えた。
政府との交渉を3日間続け、8月15日を迎えたが、まだ承認は得られていない。
メイズは、ROFAの実現にはもっと時間がかかるだろうと思いながら、韓国独立記念日の大統領レセプションに出かけた。
驚いたことに、会場に着くと、広報大臣が「おめでとうございます!」と言って大きな握手を求めてきた。
「たった今、朴大統領が、自由アジアラジオの放送決定を伝えてきました。初放送は今夜11時です」
朴ポヒさんは本当によくやってくれるわいとメイズは独り言ちた。
その夜、最初の放送を聞いたとき、彼はとても満足した。
しかしアナウンサーが何を言っているのかは分からなかった。
また、KCIAの金ヒョンウク局長の介入によって朴が配信したことも知らなかった。
8月16日の朝になって、メイズは朴の綿密に計画したスケジュールから外れた行動をした。
アメリカ大使館に立ち寄り、ブラウン大使とスタッフに話を聞いたのだ。
大使らはROFAに関して、たくさんの疑問をぶつけてきた。
KCFF財団との関係、事前準備金の総額、韓国政府の承認が非常に早かった理由など。
メイズは詳細を説明することはできなかったが、アメリカ人からの十分な寄付金で運営されていること、国際議長である自分が全てプログラムの内容をコントロールしていることなどを大使館に伝えた。
そこでブラウン大使は本題に入った。
「実は、KCFFがソウルのROFAラジオの運用指揮官として採用した金キョンウプという人物、彼はKCIAの工作員だと情報が入っているのです」
「えっ」
メイズはびっくりして、すぐに退任させ後任を探すことを約束した。
ブラウン大使が朴ポヒに不信感を抱いており、KCFFのレターヘッドに名前を連ねた著名なアメリカ人たちが、何も知らずに巻き込まれていると感じているのは明らかだった。
メイズにとっては、アメリカ政府がROFAラジオを好意的に見てくれることが重要だった。
「ボイス・オブ・アメリカ」とROFAが協力して、反共産主義の目的のために働くことを望んでいた。
‥‥運用指揮官がKCIA工作員だったなんて夢にも思わなかったが、そういえば、ヤン大使がワシントンで「韓国の広報大臣がKCFFに金キョンウプを雇ってくれとメッセージを送ってきた」と言っていた。
大使館から戻ると、朴ポヒはホテルにいた。
メイズが要請し、ヤン大使がすぐにやって来た。
「ブラウン米国大使は、金キョンウプに満足していない。彼を交代させたいと言っている」
とメイズは彼らに伝えたが、KCIAとの関係については触れなかった。
そのあと朴とヤンは数時間電話をかけまくり、ようやく元広報大臣の金ドンスンがその仕事に就く見通しがついた。
大使館はメイズにそれで異論はないと伝えてきた。
しかし、KCIAとのつながりはまだ残っていたのだ。
金ドンスンは、KCIAの金ジョンピル元局長の側近だったのだから。
翌朝、メイズと朴は車でソウル郊外のリトルエンジェルス芸術学校を訪ねた。 そこで次のアメリカ公演のために準備した新しい舞踊を披露してくれた。
その後、文鮮明と金ジョンピル(当時は朴大統領の民主共和党委員長になっていた)と一緒に昼食をとった。昼食は、ほとんどが韓国語での会話だったが、とても楽しいものだった。
文は、ROFAの放送開始を喜び、メイズに銀の箸を贈った。
文教祖と韓国政府との特別な関係を築いた静かなる”ゴッドファーザー” 金ジョンピルは、ほとんど何も言わなかった。
メイズは1人でワシントンに戻った。
朴とROFAは、彼が考えていたものとは違っていた。
メイズは自分は共産主義を何とかしたいと願うアメリカの愛国者であり、ROFAはそのための崇高な事業であると考えていた。
しかし、朴は文に忠誠を誓っていたため、ROFAの資金を統一教会に流していた。
KCIAも関与していて、隠れて朴と文に協力し、ROFAをアメリカ政府とのトラブルに巻き込んでいたようだ。
1万ドルの小切手の件もあった。
彼は、韓国大使を出し抜くためのちょっとしたゲームに喜んで参加していたのだが、その小切手は破棄されているか、彼に返却されているはずだった。
ソウルへの出発時にそのことを尋ねると、朴は「ワシントンに戻ったら返す」と言った。
しかし、朴の秘書がソウルに電話をかけてきて、小切手を銀行に振り込んだところ不渡りだったと報告してきた。
朴はさりげなく謝った。
「秘書が間違えて小切手を振り込んでしまったんだ」
メイズは騙されるのが嫌だった。
彼は朴を見切ったが、それでもROFA(自由アジアラジオ)を救済したいと考えていた。
そのためには、ブラウン大使が提案したように、ROFAを本来あるべき姿へ、KCFF財団とは別の組織として設立することが必要である。
彼は、KCFFの会長であるジョン・コールター将軍にすべてを話した。
2人ともKCFFを辞任し、その日のうちに、ボルチモアでROFAを別会社として設立した。
しかし、この第2次ROFAは無駄なペーパーワークだった。
朴ポヒは組織を有し、韓国での設備を押さえ、そして断然大きな決意を持っていたのだ。
彼は9年間、ROFAを継続させた。
その放送は心理戦を担当する KCIA の第7局によって監視され、一部は供給されていた。
アメリカ人は、自分たちのお金が民間のプロジェクトのために使われていると思って、寄付金を郵送し続けた。
朴は、メイズに話したように、少なくともお金の一部を統一教会に使っていた。
*解説、雑感は次の機会にします。
参考資料
文鮮明(龍明)教祖
(東京の南平台での御言1967年6月25日)
https://ameblo.jp/chanu1/entry-10832267720.html
「韓民文化財団という、先生がずうっと計画してつくったんだ。
アメリカの数多くの教会の人たち百五十人ぐらいに一番世界的信頼が集まっておる。それで、アイゼンハワーとか、トルーマン大統領とか、現在のホワイトハウスの大統領とか、上院議員、下院議員とか、委員長たちがみんな入っておるんだ。アメリカ人で一番偉い人たちを集めた財団法人をつくっておる。法的保護を受けている。今はその活動をしてるんだ。それで韓国においては、これは反共の先頭として今戦っておる。
それで中共に対して、アジア、東南アジア、共産圏に対して今放送やっておるよ。自由アジア放送局として今やっておるんだよ。だから、それに対応するいわゆる新聞社をつくらなければならない。」
全面的に↓↓を参考
Gifts of Deceit Chapter 2
by Robert B. Boettcher (1980)
https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/182485703173/gifts-of-deceit-sun-myung-moon-tongsun-park-and
https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/190421644278/the-unification-church-and-the-kcia
The Unification Church and the KCIA – ‘Privatizing’ covert action: the case of the UC
from Lobster, May 1991
Dr. Jeffrey M. Bale
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