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「君は弱小セックス・カルト教団の教祖のまま消えてゆくのみだ」/6-1

協力しないなら、君は
   貧国の弱小セックス・カルト教団の教祖のまま、
          世間に断罪されながら消えてゆくのみだ」




  龍明小説6-1



文龍明は1955年7月4日に逮捕され、連日取り調べを受けていた。

2か月ほど経った頃のある日、いつもと違う場所に連れて行かれた。
そこは取調室というより、客室か重役会議室のような高級感があり、窓側に濃い色のスーツを着た男が座っていた。
精悍だが神経質そうなその男の前には、分厚い資料の束があった。

男は氏名を確認した後、
「これが、君たちの創立した “世界基督教神霊協会” の表向きの教義だ」
と言って、資料の1枚目の紙をよこした。

紙にはこう書いてあった。
1) 唯一の創造主は、父なる神のみ
2) 神の独り子イエスは、人類の救世主である
3) イエスの再臨は、朝鮮でなされる
4) 人類は、再臨の摂理を中心として一つの統一された家族となる
5)最終的な救済は、善を立て天の王国を創建し、地獄と悪を撤廃することにある

それは昨年、統一協会を団体登録した際に、政府に提出した教義報告書と同一の内容だった。


「よくできている。すばらしいね」
と男は言った。が、鋭い目をしてこう付け加えた。
「だが、我々の所には、こういう報告も上がっている」
そして抑揚のない声で、資料を読み上げ始めた。

「当該教団は、
以下のような別の信条の信奉および実践を秘密裏に行っている:
イチ、
創立者である文は、イエスの再臨である。
ニ、
信者は、血の浄め、血分けとして知られている儀式に参加することにより、霊の体を受け取る。
それは女性が文教祖と性行為をし、男性はその女性と性行為をする儀式である。
血の浄めについてのこの考えは、イブが蛇と淫行をおかし、我々子孫すべてが蛇の血を受け継いだという教えから来ている。
サン、
秘密とされる教理は聖なる契約であり、聖書より重い価値をおく。
シ、
血の浄めの儀式を経験した会員は、罪のない子孫を生むことができる。
ゴ、
創立者である文には原罪がない。
‥‥どうだ?」
龍明は下を向いていたが、上目遣いで男を睨んだ。

男は言った。
「いや、答弁はいらない。
我々の調査は、あちらの連中より、幅広く深い。
これは通常の取り調べではない」


その時、秘書らしい人物が、湯気のたった湯呑みを運んで来て、2人の横に置いて去った。
確かに、こんなことは普通の取り調べではあり得ない。
飲んでみると、それは香り高い苦みの高麗人参茶だった。

男も一口飲んでから言った。
「君は崇められているわけだ。君を無罪放免にしろと、司法関係者に金を無闇にばら撒いている女信者がいる。
大義のためには脇目も振らず命をかけるような、純粋で真面目な若い信者が多くいると聞いている。
小規模だが、優秀な信徒が多くいると、男も女も。結構なことだ。

「これからこの国は、アメリカと組んで、北やソ連の共産軍をぶっ潰す強い国に生まれ変わらねばならない。
それほど遠くないうちに、私の先生はきっとそれをなすだろう。*

今後は、君の所に軍関係の精鋭が入っていくかもしれない。
そういう時が来たら、彼らの精神を訓練してやってほしい。

私が何を言っているか分かるかね。
私は軍の情報関係者だとだけ言っておこう。*

国が戦争の危機にあるこのような時は、君のような極端な考えを持った、アクの強い人間が役に立つこともある。

むろん君らはまだ未知数だが、そうじゃないかね?
どうだ、君は未来の強い韓国のために協力する気はあるか?」


龍明は男の話を聞きながら、考えていた。
どうやらこの男は、将来政権を取ろうと雌伏しているグループの一員らしい。
彼の先生というのは、有力な政治家か何かだろう。
こちらとしては望むところだ。
政権の中枢近くに信者を置き、権力に影響を与えるのだ。
国に協力すれば、国もこちらに協力するようになるだろう。


龍明が顔を上げて、何か言おうとしたその時、
「だが、」と男は龍明を遮るように話し始めた。


「だが、血の浄め?や血分けとやら、あれは頂けないな。
しかも君の場合は、女信者の入信儀式としてやっているから、どうしても相手が不特定多数になる。
我々は関知しないが、人々が、メディアが、世間一般が断罪するだろう。
たとえ今回は司法の手が回らずに済むとなるにしても、世間では新聞報道が連日のように加熱している。
君らにとっては厳しい状況だ。

「今度同じような問題を起こしたら、こうなるだろう」
と男は言って、最初に見せた教義報告の紙を手に取り、グシャグシャに丸めて潰し、背後に放り投げた。

「君らには選択の余地はない。協力しないなら、君は貧国の弱小セックス・カルト教団の教祖のまま、世間に断罪されながら消えてゆくのみだ」

「だが希望はある。君は、朴泰善(テソン)長老を知っているかね?」



*注*
*「それほど遠くないうちに、私の先生はきっとそれをなすだろう。」
私の先生: 朴正煕(パク・チョンヒ)
1961年 5・16軍事クーデター

*「私は軍の情報関係者だとだけ言っておこう。」
→クーデターの立役者、後に初代 KCIA長官となる金鍾泌(キム・ジョンピル)


参考
https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/34356668235/fbi-report-on-the-summary-of-the-official-and

https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/617678940238233600/kim-jong-pil-would-see-that-the-park-regime-gave






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