「原理でスイマセン。引き寄せ劉孝元/5-3」 からの続き
原理村に
教授と警察が
やって来た!
1954年5月1日 世界基督教統一神霊協会(統一教会)創立
ソウル城東区北鶴洞の三大門教会にて
龍明小説5-4
劉孝元が原理講義をするようになってから、大学生や大学教授など、世の中の頭の良い人たちが引き寄せられ、大勢教会に来るようになった。(先回より)
確かにそういう人たちがやって来て、原理を聞いたが、大方はそれっきりだった。
数ヶ月で100人以上に講義したが、入信する人はほとんどいなかった。
その頃、文龍明を中心に、劉孝元、朴正華、劉孝敏など6名の同志が集まり、団体の正式名を「世界基督教統一神霊協会」と決めた。
そして、原理を掲げて全世界のキリスト教を統一することを目指す宗教団体を設立した。
正式名称の看板を作って入り口に掲げたが、教会家屋は相変わらず狭くボロく、信者は増えず、食口たちは極貧の暮らしをしていた。
裕福な家庭の夫人食口たちが何人か繋がっていたので、龍明は時に彼女らから大口献金を引き出し、やりたいことをやって、金が余れば自分の机の引き出しに隠しておいた。
そして普段は何食わぬ顔をして食口たちに混ざり、貧しい暮らしをしていた。
10月末のこと、延世大学の数学科3年のある学生が原理を聴きに来た。
彼は午後にやって来て、劉孝元が夜遅くまで講義をした後、全体集会が始まり、龍明の話が明け方まで続いた。
翌朝教会で朝食を食べた後、学生は「では」と言って教会を出ようとした。
「原理の続きを聴いていきなさい!」
劉は息せききって彼に言った。
「学校に行かなくてはならないのです」
「それでも続きを聴いていってください。
これからやります、すぐやります」
「でも……」
「ねえ、聞いてー 聞いてー」
劉孝元は泣きそうになって迫った。
しばらく押し問答が続いたが、ついに学生はキッパリと言ってきた。
「学校に行きます!」
(ああ、彼もこうして来なくなるのか。ここ6ヶ月間みんなそうだった。やはり僕は何かダメなんだなあ。いい所までは行くのだが…また先生をがっかりさせてしまう……)
彼はションボリと落ち込み、ひどく淋しそうな顔になった。
ところが学生は、その日学校が終わってから、また教会に顔を出し、原理の続きを聴き始めたのだ。劉は身もふたもなく喜んだ。
こんなジェットコースターのような一喜一憂を、これまでのクリスチャン学究生活では味わったことがなかった。
これが生きている実感か!?
彼はやっと生き生きした人間の仲間に入れたような気がして、嬉しかった。
この教会に来て本当に良かったと思った。
その学生が、後に日本統一教会の総会長にもなる黄煥寀だった。
その頃から潮目が変わったようだった。
継続して通ってくる受講生が増え、劉孝敏を中心として始めたプロマイド製作販売の教会事業もうまく回り始めた。
特に、年が明けた55年の始め、東大門(トンデムン)興仁洞(フンインドン)にある大きい家に引っ越してからは、女子大生がたくさん入ってきて、新しい食口たちが増え始めた。
前年から繋がっていた梨花女子大の教授である崔元福女史や金永雲女史も入信して来た。
集会場所はぎゅうぎゅう詰めになり、遅れてくる人たちは外で立って礼拝に参加するほどだった。
ブロマイドがよく売れたので、経済的に余裕ができ、教会では、毎日70~80人くらいの人が食事していたが、そのために毎日、お米を大量に炊いていた。
オク・セヒョンやドクサン・リーなどの夫人食口たちが、教会の洗濯や食事の世話で大わらわだった。
そうなってくると、警察の動きも活発化してきた。
それまでも、いきなり踏み込まれ家宅捜査されたり、取り調べを受けたりはしていたが、こんどはちょっと違うなと感じるほど多くの捜査員が投入されていた。
刑事2人が1週間教会に泊まり込み、内部の様子を伺って行ったこともあった。
そんな緊迫感を知らないで、釜山や大邱の地方から来た女性食口たちは、陽気に騒ぎ、踊りまくっていた。
原理講師の劉孝元は大忙しだった。
事の起こりは、まず彼が親戚の梨花女子大学音楽科教授の梁允永女史を、優秀な原理講義で伝道した。
それで入信した梁女史が、同大の副総長や先生たちに何度も接触を図り、教会に誘った。
その甲斐あってか、副総長が原理を聴きに来たのだが、その日も治安局情報課の職員と警務官が一緒に原理を聞いていた。
もっとも副総長は、聞き始めて30分、総序の講義が終わる頃に、いきなり立ち上がり、
「あなた方は、こんなことで世界が救えるとでも思ってるのですかぁ!」
と叫んで、飛び出して行ってしまったが、
情報職員らは仕事なので、その後もずっと劉の講義を真面目に聞いていた。
外では何人もの捜査員が張り込みを続けていた。
参考資料
先回、先々回に準ずる
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教授と警察が
やって来た!
1954年5月1日 世界基督教統一神霊協会(統一教会)創立
ソウル城東区北鶴洞の三大門教会にて
龍明小説5-4
劉孝元が原理講義をするようになってから、大学生や大学教授など、世の中の頭の良い人たちが引き寄せられ、大勢教会に来るようになった。(先回より)
確かにそういう人たちがやって来て、原理を聞いたが、大方はそれっきりだった。
数ヶ月で100人以上に講義したが、入信する人はほとんどいなかった。
その頃、文龍明を中心に、劉孝元、朴正華、劉孝敏など6名の同志が集まり、団体の正式名を「世界基督教統一神霊協会」と決めた。
そして、原理を掲げて全世界のキリスト教を統一することを目指す宗教団体を設立した。
正式名称の看板を作って入り口に掲げたが、教会家屋は相変わらず狭くボロく、信者は増えず、食口たちは極貧の暮らしをしていた。
裕福な家庭の夫人食口たちが何人か繋がっていたので、龍明は時に彼女らから大口献金を引き出し、やりたいことをやって、金が余れば自分の机の引き出しに隠しておいた。
そして普段は何食わぬ顔をして食口たちに混ざり、貧しい暮らしをしていた。
10月末のこと、延世大学の数学科3年のある学生が原理を聴きに来た。
彼は午後にやって来て、劉孝元が夜遅くまで講義をした後、全体集会が始まり、龍明の話が明け方まで続いた。
翌朝教会で朝食を食べた後、学生は「では」と言って教会を出ようとした。
「原理の続きを聴いていきなさい!」
劉は息せききって彼に言った。
「学校に行かなくてはならないのです」
「それでも続きを聴いていってください。
これからやります、すぐやります」
「でも……」
「ねえ、聞いてー 聞いてー」
劉孝元は泣きそうになって迫った。
しばらく押し問答が続いたが、ついに学生はキッパリと言ってきた。
「学校に行きます!」
(ああ、彼もこうして来なくなるのか。ここ6ヶ月間みんなそうだった。やはり僕は何かダメなんだなあ。いい所までは行くのだが…また先生をがっかりさせてしまう……)
彼はションボリと落ち込み、ひどく淋しそうな顔になった。
ところが学生は、その日学校が終わってから、また教会に顔を出し、原理の続きを聴き始めたのだ。劉は身もふたもなく喜んだ。
こんなジェットコースターのような一喜一憂を、これまでのクリスチャン学究生活では味わったことがなかった。
これが生きている実感か!?
彼はやっと生き生きした人間の仲間に入れたような気がして、嬉しかった。
この教会に来て本当に良かったと思った。
その学生が、後に日本統一教会の総会長にもなる黄煥寀だった。
その頃から潮目が変わったようだった。
継続して通ってくる受講生が増え、劉孝敏を中心として始めたプロマイド製作販売の教会事業もうまく回り始めた。
特に、年が明けた55年の始め、東大門(トンデムン)興仁洞(フンインドン)にある大きい家に引っ越してからは、女子大生がたくさん入ってきて、新しい食口たちが増え始めた。
前年から繋がっていた梨花女子大の教授である崔元福女史や金永雲女史も入信して来た。
集会場所はぎゅうぎゅう詰めになり、遅れてくる人たちは外で立って礼拝に参加するほどだった。
ブロマイドがよく売れたので、経済的に余裕ができ、教会では、毎日70~80人くらいの人が食事していたが、そのために毎日、お米を大量に炊いていた。
オク・セヒョンやドクサン・リーなどの夫人食口たちが、教会の洗濯や食事の世話で大わらわだった。
そうなってくると、警察の動きも活発化してきた。
それまでも、いきなり踏み込まれ家宅捜査されたり、取り調べを受けたりはしていたが、こんどはちょっと違うなと感じるほど多くの捜査員が投入されていた。
刑事2人が1週間教会に泊まり込み、内部の様子を伺って行ったこともあった。
そんな緊迫感を知らないで、釜山や大邱の地方から来た女性食口たちは、陽気に騒ぎ、踊りまくっていた。
原理講師の劉孝元は大忙しだった。
事の起こりは、まず彼が親戚の梨花女子大学音楽科教授の梁允永女史を、優秀な原理講義で伝道した。
それで入信した梁女史が、同大の副総長や先生たちに何度も接触を図り、教会に誘った。
その甲斐あってか、副総長が原理を聴きに来たのだが、その日も治安局情報課の職員と警務官が一緒に原理を聞いていた。
もっとも副総長は、聞き始めて30分、総序の講義が終わる頃に、いきなり立ち上がり、
「あなた方は、こんなことで世界が救えるとでも思ってるのですかぁ!」
と叫んで、飛び出して行ってしまったが、
情報職員らは仕事なので、その後もずっと劉の講義を真面目に聞いていた。
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2020/09/07 (月) [龍明小説4&5]
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