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2024年01月の記事 (1/1)

17 鶴の寿命 衝撃の最終回




 17 鶴の寿命 衝撃の最終回



【先回より)
ツルコ総裁:「ふん、努力次第よ、自己責任でしょ、いくらでもやり直せるでしょうよ」

電話の声(女信者):「やり直したいけど無理。悔しいけど無理!
今まで聞いてればいい気になって、私の最後の理想まで打ち壊す、あなたにはわからないわ! ぎゃぁ〜」

絶叫の余韻を残し、電話はプツリと切れた。///


辺りに不吉な静けさが漂った。
電話の声はどこかで聞いたことがあるような気がしたが、ツルコには思い出せなかった。

ツルコは口を開いた。
「皆さんはよほど霊的に曇っているようですね。基準がないあなたたちに独生女のことは分かりません。しかし唯一無二のその位相は、ずっと前から天において定まっているのです…」

スタジオ内に良い反応はなく、どこまでも白々とした雰囲気だ。
ツルコは初めて厳しい現実を垣間見たような気がした。

テレビ出演への注目度は、統一教会の恥部を暴露したからだ。
世間の統一教会への非難は、ますます高まっていた。
信者や元信者、二世等の関係者は、ショックだ、納得がいかない、責任問題だ…と声を上げ始めている。


ーあぁもう こんな所はもう沢山
 ええぃもう 私十分やったわよ
 この後はスイスとカリブ海だわ

「さあ、統一教会はもう終わりよ。
お父様のみことばと実践は、9割以上が本当でなかったんだから。
さあ皆さん、統一原理という名の偽原理に囚われないで。
美味しい食物だと思っても、釣り針と釣り糸が付いている。
もう釣り竿から自由になってください。
自分の人生を望みのままに生きていけばいいでしょうよ、
私に文句ばっかり言ってないでさ!」


(いまさら何を言ってるの?)
受話器を叩きつけた後、テレビ画面でその言葉を聞く佳代子はいても立ってもいられなくなった。
(ずっと御父母様のみ言葉を信じて、ここまでやってきたのに…)
彼女は統一教会の信仰を続けるうちに、自分でも知らずに強度の依存体質になっていた。

統一教会で飲み込んだものを全部吐き出してしまいたい。
だがそれらは、もう胸の奥の方に落ち込み、中央に我が物顔で鎮座して、微動だにしない。
こうなったら吐き気だけが本物だ。

もうどうにもならない
吐き出すのが無理なら、溶かしてしまいたい
妹のサヨは、総裁の生放送に付いて行くと言っていた
今から行けば間に合うだろうか
テレビ局の秘密の出入口に…

佳代子はいきなり立ち上がると、外出の支度を始めた。
彼女の心は、支離滅裂になっていた。

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