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2020年02月の記事 (2/2)

大先生の御言葉とクリスチャン青年の躓き/龍明小説2ー4

『龍明小説2-3』からの続き



  大先生の御言葉とクリスチャン青年の躓き
       /龍明小説2-4




後に押しも押されぬ教祖となった文ノ龍明大先生が、大勢の西洋の信者たちの前で、都合のいい屁理屈をつけてこう語っている。

 「君たち、先生(=自分のこと)はね、若い頃はいろいろ研究したや。
 それで、最高の美女がベッドの中で誘惑して来ても、自分を律してコントロールする訓練を受けたんだね。

 まさにセックスしようとしているその時ですら、ふいに横を向いてやめることができる。
 先生は誘惑を取り扱う世界チャンピオンだと言うんだね。

 あ〜、ある晩寝ていると、一人の女が裸で先生の部屋に入ってきた。
 先生の布団を捲って、『私を救ってください』と言う。
 先生は『不能者だから』と言って断った。

 すると女は、『あなたは男じゃないですか?』と言い、先生を立たせようといろいろやったが、先生は自分を立たせなかった。

 そんなことをしたら神様の生殖器をゴミ箱の中に投げ捨てることになると知っていたので、できなかったのです。

 どや、君たち、先生はアホな者ではありまっせん。」

(資料末尾 September 21, 1998 East Garden, New York)

              *
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龍明がやらかした? 謎の女ウリョン登場/龍明小説2ー3

『龍明小説2ー2』からの続き



龍明小説2ー3



そんな頃のことだ。
「あっ、ウリョン!」
 町で、イエス教会時代のガールフレンド朴ウリョンにばったり出くわした。

 思わずたじろぐ龍明に,
「あらッ 」と彼女は言って、特徴ある頬を膨らませ、意外にも屈託なく話しかけてきた。
「龍明さん、うわさはリー夫人から聞いてるわよ、結婚したんですって。住所も教えてもらったから、そのうち訪ねてみようかと思っていたわ」

「え、か、帰ってたのか。日本にいるとばかり思っていたよ」
「いやねえ、もう何年たってると思ってるの?」


 ソウル商工学校時代にイエス教会の学生部で知り合ったウリョンは、龍明と同じ時期に女学校を卒業し、日本に語学留学しようとしていた。

 当時リー夫人母娘への独りよがりな邪恋に破れた龍明は、その悔しさを挽回すべく、日程の隙をついてウリョンに急接近した。3月31日、2人で示し合わせて、釜山港から同じ時刻、同じ船に乗り込んで、一緒に東京に向かった仲だった。


 東京でも喫茶店などでよくデートした。映画館にも行った。夜中に彼の部屋に突進したこともあった。いつも仕送りが足りないとぼやく彼の部屋の引き出しに、毎月こっそり金入りの封筒を忍ばせたのも彼女だった。龍明の甘言にのぼせていたのだ。
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鬼畜お花畑の龍明と可愛いサンキルちゃん/龍明小説2ー2

 
『龍明小説2ー1』からの続き 


龍明小説2ー2



 サンキルが自分にゾッコンになったと見て取るや、龍明はさっさと帰途についた。

 それから昨今の内外の政情から国内にいた方がいいと判断し、満州をあきらめそのままソウルで電気技師として職に就いた。

 そうこうしているうちに、2ヶ月3ヶ月が過ぎていった。ある時、サンキルの実家がある村に住んでいる親戚がやって来てこう言った。

「おい、崔家では大変なことになっているぞ。娘がどうしてもあんたでないと結婚しないと言い張ってな、大暴れして、ほかの見合いを全部突っぱねて、両親はカンカンになって、村中に飛び火して大騒ぎしてるんだ。わしら迷惑を被っとるよ。あんた、一体どうする気だね」

龍明はモテる男はつらいよと言わんばかりにうそぶいた。
「へえ、そいつは驚いたな。僕はどっちでもいいと思っていたんだが‥‥いやまいったな」


 そうは言ったものの、さっそく次の休日に大威張りで崔家に出かけて行って、結婚の話を本決まりにして来た。

 そして職場の近くに台所と一間だけの小さな家を借りると、見合いの翌年春に結婚式を挙げ、龍明24才、サンキル21才、ママゴトのような新婚生活を始めることになった。
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