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2020年01月の記事 (1/1)

詐称して見合いしてその晩致しましたハイ/龍明小説2ー1

『龍明小説1ー6』からの続き



龍明小説2ー1



 1941年、21歳で東京にある専門学校に留学した。

 2年半して帰国、そろそろ身を固める時期だと感じ、仲介してくれる人を見つけて、紹介された女性の家にお見合いに行った。

 将来は満州辺りで職を得て、機を見て独立し、何か世界を驚かせるようなドデカい事業に打って出たい、そんなことをしゃべりながら、お見合いを10回以上繰り返したが結局話は決まらなかった。

 学歴経歴がパッとしないわりに極端に大きなことを語る龍明は、お見合いの席では概して評判が良くなかった。その頃はイケメンだったのに(!)ほとんど相手側から断られてしまった。

 なんとかしなければいけないと彼は思った。

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お父さん、お父さん、あなたはどなたなの?(追記あり)

「韓鶴子氏のお父さんはどなたでしたっけ?」マーイルマンさん
https://ameblo.jp/karamatto777/entry-12570193339.html
>暗在オシオさんが統一教会の教祖の小説をブログで始められたのを拝見して、疑問がわきました。
>何がかというと、韓鶴子さんのお父さんが韓承運さんという内容についてです。


直接私に対して書いているわけではないのは分かっていますが、ちょうど書きたいこともあったので、まとまりのない個人的意見ですがアトランダムに書いておきます。

当ブログの記事「根拠あり! 秘められた血分け」http://anzais.blog.fc2.com/blog-entry-58.htmlのコメント欄で、米本さんからの質問「韓鶴子さんの父親の名前は?」に対して、
>韓鶴子さんの父親の名前は、オフィシャルで「韓承運」です。

と答えました。
オフィシャル:公式の、公認の、表向きの、公式的な

ちゃぬの裏韓国日記の「クイズ!父親は誰だ!」なども読みました。

韓国では「韓鶴子氏の生物学的父親は文鮮明氏」とプリントを配って主張している地方教会長がいて、教会本部が主張をやめるよう注意しているがやめないというハナシを数年前聞いたことがあります。

サンクチュアリの礼拝説教でも、ある古参信者がDNA鑑定をしたらそのことが分かったとのハナシが出てました。

ある画家が韓鶴子と韓承運の写真を見て、眉の形が同じ、鼻もそっくり、目も似てる、文鮮明とは親子に見えない。写真からすると韓承運が父親だと一目瞭然、と言っていたので、形を見る目を訓練された画家の意見は個人的には無視しがたいかな。
私などシロウトはパーツのカタチをきちんと見据えずに全体的な印象だけで見るから、文鮮明とも似ているように見えてしまいますが‥‥

DNA鑑定の件は、どのサンプルをどのように採取してを明らかにしたオフィシャル鑑定書がアップでもされればまた別ですが‥‥文7の説教、あれだけではとても信じられません。
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ショボッ龍明の青春一巻の終り悲しくてやりきれない/龍明小説1ー6

『龍明小説1-5』からのつづき


龍明小説1ー6

 しかしいつまでたっても、彼に関する神の啓示はどこからも聞こえてこなかった。一介の学生メンバーに過ぎないのだから当然だった。

 そこで自分でおばさんを説得しようと試みた。さすがの彼も、
「あなたはぼくと性関係を結ばなければならない」などと直裁的には言えない。
それで曖昧な信仰の話のようになった。当然彼女には伝わらない。
「そうよ、私はイエス様の再臨を本当に待ち望んでいるわ。もちろん受け入れるわよ。あなたもそうでしょ、会えるといいわね」
などと言うばかりだった。龍明は癇癪を起こして叫んだ。
「ぼくとイエス様とどちらが偉いか祈ってみろよ!」

 それからもおばさんは彼を自分の息子のように扱うだけだった。

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文ノ青少年、妄想爆発/龍明小説1ー5

『龍明小説1ー4』からの続きです。


龍明小説1ー5


 龍明は興味津々だった。啓示で指名される人はいわば神に選ばれし者だ。ぼくが選ばれないはずがない、と思った。

 ——そりゃぼくは普段はそんなに祈らないし、俗な場所にもよく出かけるが、秘密兵器がある。代表祈祷で熱烈に祈ったんだ。「神よ、我に、ソロモン王より大きな知恵を与えたまえ」と叫び、次は「使徒パウロよりも強い信仰を与えたまえ!」だ。最後の極めつけは「イエス・キリストよりも偉大な愛を持つ者にし、このかわいそうな国を救う者にしてください!」とやって、婦人たちをオンオン泣かせた男だぞ。熱祷少年だ。泣きの熱祷だ。神がいるなら目に留めないはずがないんだよ。


 自分が選ばれない気がまったくしないのだった。


 龍明が生まれた朝鮮は何百年も中国(清)の属国だった過去を持つ。日清戦争後は属国ではなくなったものの、自立を保てず、海を隔てた隣国日本に保護を求めて合邦になった。

 近代国家としての条件と内容がまるでない非独立地域であり、内情は貧しく民度は悲惨だったが、イエス教会では朝鮮人の再臨主によって全人類は完全に救われると説く。そして朝鮮は全世界に崇敬される魂の宗主国となると言うのだ。龍明は血が熱くなる思いがした。
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根拠あり!:秘められた血分け/龍明小説1-4

『龍明小説1ー4』の参考文献/サイト紹介と注釈です。


細々といろいろあるので全部は示せませんが、いくつかランダムに載せておきます。

『統一教会の儀式セックスによる血統転換』抄訳
http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-485.html

* これは私が抄訳して、米本さんに原稿を訓練され、火の粉ブログに載せてもらったもので、文龍明氏の隠し子の母のことも含めてありますが、今回龍明小説で直接参考にしたのは、上記記事本文には入っていない(ディープ過ぎてコメント欄の最後に入れた)追加翻訳部分です。


『Change of Blood Lineage Through Ritual Sex in the Unification Church』
『統一教会の儀式セックスによる血統転換』

---追加翻訳部分ここから---
P67〜68
「血統転換儀式」のピガルム(血分け)や「新しい霊体を受け取る」ヨンチェは、清い血統を持った神と同格の人間が自身の神聖さを性交によって異性の他者に授け渡すことができるとの考えに基づいている。ヨンチェまたはピガルムの儀式によって生まれてくる子どもは罪をもっていないとされる。

P78〜79
{イエス教会の}新しい摂理時代のために新しい血統を立てるのは、劉明花とその支持者たちの使命で、これはヨンチェまたはピガルムの儀式を通して挙行された。
韓俊明は、1932年11月平壌で声明を出した:
『ある神的存在(劉明花)に降りた神の啓示は次のとおり:
韓俊明は、1933年6月9日にある女性を娶り、270日後の1934年3月に、昼を司る偉大な聖人Kwangjinを生むだろう;
また、朴スンゴルはある女性を娶って夜を司る偉大な聖人Kwangchaeを生むだろう』
(出典:ミン・ギョンべ著『朝鮮におけるキリスト教の歴史』P433 延世大学出版、ソウル、2005年)
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秘められた血分けへの誘(いざな)い/龍明小説1ー4

龍明小説1ー3からの続きです。


龍明小説1ー4

 縁あって龍明は、かの神霊教団の1つ、新イエス教会の学生メンバーになった。イヨンド(李龍道)系統のイエス教会の集会は、神秘に没入し現実世界も手に入れたい野心ある龍明の気質に合っていた。若く血の気が多い彼は、主との血の混合を説くイエス教会の汎性欲主義的な愛の原理に捕らわれてしまった。


 漢江のほとり、明水台にあるイエス教会に足繁く通い、子供たちが集う日曜学校の先生役を務めるようになった。礼拝では大勢の年長の信徒たちの前で立ち上がり、涙に咽ぶ熱烈な代表祈祷をして、婦人信者を感動させた。

 祈祷が終わった時、1人の感極まった婦人が駆け寄って来て彼をハグした。ぷよぷよした肉厚の腕でぎゅーと抱きしめてきて、ウチに下宿しなさいよと誘った。
 ソウル上京後3年目のこと、彼は下宿先をそのリー夫人の家へ移した。資産家らしい立派な家で、十代の娘が2人いた。
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マジ卍エピソード 本邦初公開/龍明小説1ー3

『龍明小説1ー2』からの続きです。


龍明小説1ー3


 十代後半で普通学校を終えた龍明は、京城(ソウル)にある商工実務学校に通うために上京し下宿生活を始めた。
ソウルには漢江という大河が町を横切るように流れている。暖かくなると毎日のようにそこへ泳ぎに行った。橋の下には乞食や極貧家族が住んでいたが、時々ハサミを持って行って彼らの髪の毛を刈ってやった。

 2年目の夏のこと、同じ学校に入学し同じ下宿に住むようになったいとこのセギョンがマラリアにかかり、2週間の間、昼になると必ず高熱が出た。
 ある暑い日、龍明はそんないとこの部屋へ行ってこう誘った。
「よぅ、川へ泳ぎに行こうぜ」
「ムリだよ、熱があるんだ」
いとこは力なく応えた。
「俺は治し方を知ってるんだよ」
龍明は堂々と言い放った。1人で泳ぎに行きたくなかった。

「え、そうなの?」
「そうだよ、それは君の心の持ち方によるんだ。一緒に来れば教えてやるよ」
そしていとこを漢江のほとりまで連れて行き、言った。
「さあ、服を脱いで川に飛び込め」
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神霊集団 カッコいいのか、だらしないのか/龍明小説1-2

『龍明小説1-1』からの続きです。


龍明小説1-2

 
 そのころ朝鮮では、後にキリスト教主流派から異端認定をくらう 神霊集団が起こって話題となっていた。
 きっかけとなったのは、メソジスト派の復興師、イヨンド牧師だ。彼は数年後に33歳で早世するが、多才で感受性豊か、普段は無口だが、復興師として集会に招かれると、聖霊が臨んだかのように熱狂的に説いて叫んだ。

 「主の愛に飲み込まれよ! 
 さすれば合一の原理によって
 主は汝の信仰に飲み込まれる!
 主と血が混ざり合うのだ! 
 神と愛で融け合うのだ!」 
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どこにでもいるタイプではなかったようで/龍明小説1-1

 龍明小説1-1

 ノ龍明は、1920年、朝鮮半島北部の寒村で、子だくさん農家の次男坊として生まれた。
 幼い頃、よく1人で裏山に分け入り、森の木々や小動物たちと思う存分戯れて過ごした。8才頃から村の賭博場に出入りし、12、3才まで大人たちを集めて博打場を仕切った。父の牛の売上金をタンスから持ち出し、花札の胴元になって、大金を儲けたり失なったり。勝つと時々人助けらしきこともする、性格の激しいガキ大将だった。

 喧嘩っ早くて強情で屁理屈がうまく、「牛を殺す」と言えば殺し、「火を放つ」と言えば放つ、有言実行。気に入らないことがあると一日中大声で泣き喚くので、大人たちは手を焼いた。親戚からは「あいつは王でなければ逆賊にしかなりえない」と言われ、その極端な言われようが自分でも気に入っていた。

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