霊の龍明小説 20 の記事 (1/1)
- 2022/01/15 : 霊ノ龍明小説[序章]/20-1/私は「安産おしほ」ではありません。
- 2022/01/17 : 霊界劣等生?やり直したいと言う困ったちゃん/20-2
- 2022/01/28 : 霊ノ龍明、霊界伝道、始まる…/20-3
- 2022/02/02 : 亡霊が出た、何とかしてくれ。できません。/20-4
- 2022/02/18 : 文家宛て 一世信者の手紙。生霊が出た、何とかしてくれ。できません。
- 2022/02/22 : 集団訴訟が必要では? 実用的でない信者たち。
- 2022/03/01 : 地獄篇のはじまりー知らずに望んで地獄行き/20-7
- 2022/03/10 : カルマの苦しみ 地獄篇/20-8
- 2022/03/15 : 統一教会を見極める。地獄クイズ/20-9
- 2022/03/30 : 龍明小説(最終回)/20-10
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霊ノ龍明小説[序章]
ご無沙汰しています。
これまでに試作として書いた中から、抜粋・編集して、霊ノ龍明小説[序章]としてアップしておきます。
ノンフィクションノベル 龍明小説は「11」で終わっていますが、今後はノンフィクションではなく、いわば異次元に設定が変わるので、続きの「12」ではなく、ぶっ飛んで「20」から始めることにします。
霊の龍明小説 20-1
文ノ龍明は、2012年9月、長年病んだ肺の機能が急激に悪化し、宮殿に隣接する自前の病院にて、92歳で亡くなった。
人工呼吸器をはじめ、体中に何本もの管を入れられ、池で溺れるような苦しい状態が続いたと漏れ伝えられる。
晩年には、妻や取り巻きの幹部連中から “蚊帳の外” に置かれ、時に不満を爆発させた。言動の制限も受けていたらしい。
よる年波の中での苦悩は、カルマの法則による返報の一端が姿を現したのだろうが、これまでの人生や自らの言行を省みるようにはならなかったようだ。当時、彼は教団の公の場で、周りの者たちを激しく罵倒し責めている。
ーー誰がわしの言葉の尊厳と権威を損なっているのか?
それは、教団上層部の幹部らだ。
そしてその幹部らの中心にいて指図しているのは、なんと、最終一体完了したはずの “真の母” 韓鶴子夫人だった。
龍明は愕然とした。
ある夜、カルマを刈り取る運命の見えない巨大な鎌の刃が、首にスッと触れたような気がして、思わず叫んだ。
やめてくれ〜〜ッ!
飛び起きると、寝汗をぐっしょりかいていた。
彼の体の肺以外の内臓は丈夫で、まだ意志力もあったが、脳の方がかなりやられていたので、寿命だったのかもしれない。
肺臓が壊滅した老体を地に置き去り、魂の世界に移動した後も、しばらくは反省しない状態が続いていた。こちらの時間でいうと千年だろうか万年だろうか。
魂の世界ーーそこは行ってみると、彼が生前語っていたのとは大違い。
イエスをはじめ歴史的聖人たち誰も跪いての歓迎はなく、彼の使命も実際はなかった。少なくとも悪行の言い訳になる超法規的な特別使命などなかった。それどころか、大勢の魂へ及ぼした悪影響を、大霊界の不可視の天秤で測られてしまったーー。
以上、「主人公死去後の霊連世小説、無理かな…?/11ー8」より
2012年初頭、文鮮明(本名:文龍明)教祖は、公の訓読会の場で、妻や子供たちが日頃自分を無視するような扱いをすることに憤った。その責任を教団幹部らに押し付けるように「オーナーは息子らではなく自分だ!」とどなった。
まだまだ自分を中心として組織を回そうとする気が満々だったので、その年の夏、病が回復不能となり、肉体の命が尽きようとしている時にも、彼の魂(霊の体)は肉体にしがみつき、なかなか霊肉分離の死のプロセスがスムーズにいかなかった。
龍明は、病院の治療室で、死期の苦痛が強く長引き、ひどい有様になった。妻の鶴子でさえ「早く絶命して」と願うほどだった。
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2022/01/15 (土) [霊の龍明小説 20 ]
「霊ノ龍明小説[序章]/20-1」からの続き
霊界劣等生? この後に及んで
やり直したいと言う困ったちゃん
霊ノ龍明小説 20-2
全員が同時に、スクリーン上で、終えてきたばかりの自分の人生の全ての出来事を振り返る。不思議なことに、死ぬところから生まれるところまで、人生の時を逆順で遡って見ることになる。
2回目は、同じ内容を、接した相手や周りの人、関係した人など、自分以外の人々の立場から、もう一度全てが上映され、体験するように導かれる。
霊ノ龍明はそこでつまずいた。(前回より)
教師を務める者は、ここより少し上の境涯に属する魂らしく、その霊体は鈍く光を発していた。
このセンターでは、新参の霊が自分の人生を見せられ、出来事をどう解釈していいか分からないような時、この世の学校でもそうだが、先生がヒントを出したり、例を示したりしてくれる。
「あなたの運動が影響力や富を集めて大きくなってゆく陰で、関わって働いた大勢の人が、苦しんだり絶望したりしていますね。」
龍明は答えた。
「そ、それは世の無理解が大きかったからだ。
世人やマスコミ、家族親族が大反対をしたのだ。」
教師は言う。
「反対されて苦しかったという人は少数です。
被害の多くは人生の時間を奪われ、精神が行止まりの人間になったというものです。
財産を奪われ、衣食住に困り、子供の進学を断念したと言う人も大勢いるようですね。」
「そのように言う者は神の願いに生きないからだ。
神の願いを自分の願いとしなかったからじゃないか!」
「至高の神の願いである地上での学びと成長の道、その人独自の環境や選択と意志による貴重な経験の道を塞ぐことになりはしませんでしたか?」
「だからー。私は真理の道、神の道を人々に伝えた。私の運動が神の道なのだ。」
「確かに、あなたの運動をきっかけに神を意識した人は多い。が、それを深められた人は少ない。」
「ヘッ、期待ばっかりするからだ、虫の良い期待ばかりして、努力実践しなかったからだろう。
結局、自己の責任分担を果たせなかったのだ、そのことについて、おれは何度も忠告したはずだ。」
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2022/01/17 (月) [霊の龍明小説 20 ]
「界劣等生?やり直したいと言う困ったちゃん/20-2」からの続き
霊ノ龍明、
霊界伝道、始まる…が…
霊ノ龍明小説 20-3
教師も龍明もパッと消え、大教室はシンと静まり返った。(前回より)
龍明は、それから1、2回霊界授業に出たが、らちが明かず、そのままばっくれてしまった。
ーよし、伝道の旅に出よう。
霊界学校の宿舎から走り出て、着の身着のまま、でたらめな方向にどんどん歩いて行った。
が、草原のような風景が果てしなく続くだけで、人っ子ひとり見かけない。
ーとにかく、霊人が住んでいる場所に行きたいものだ。
すると景色が変わり、彼は、灰色の石の谷のような所にいて、
暮れ色のぼんやりとした空の下、寒々しい岩石の丘に周囲を囲まれていた。
そこは草一本生えておらず、灰色の石があるのみの冷たく寂しい印象の場所だが、石窟のあちこちで人影が動いていた。
たしかに、住んでいる霊たちがいるようだった。
だが彼らに「こんにちは」と挨拶しても、「ここはどんなところですか?」と話しかけてみても、龍明の姿が見えているのかいないのか、何の反応もなく、誰ひとり答える者はいなかった。
その谷に住む者たちは、あまりにも自己中心的に心を閉ざし、自分以外のものを見る力さえ喪失しているようだった。
龍明は荒凉とした灰色の谷を歩きながら思った。
ーここは無理だな。もっと、こう… 普通の町はないものか。
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2022/01/28 (金) [霊の龍明小説 20 ]
「霊ノ龍明、霊界伝道、始まる…/20-3」からの続き
亡霊が出た、
何とかしてくれ。
できません。
霊ノ龍明小説 20-4
文牧師の言う通りに天国の喜びを祈り求めたところ、地獄の責め苦のような苦しみに合ってしまった不安の国の住人たち。
ここは霊界だ。地上とは違うのだ。
地上で「天国の喜び」と言っても、結局それぞれの想像の世界で空想するだけで、都合良く、あいまいに流してゆくことができた。
だがここではガチなヤツが降りて来る。
ごまかしは効かないぞーという、それは新参者・文ノ龍明に対する霊界からの警告だったのかもしれない。
彼らは、数時間、のたうち回り、数日間、寝込んだ。
そしてやっと元の状態に戻ると、立ち上がり、龍明を真似て伝道を始めた。
不平や口論が多い不安の国の国情をうまく使い、
「イライラさせられる不快な生活から完全に解放される新しい真理が出現した!」
と宣って、人々に龍明教会を信じ込ませ、主管下に置き、手下にしていく。
彼らは活動的だった。
教えに実質的なものがないのは分かっていたが、ここにいる人々は、相手を策略にかけ、陥れようとしたり、陰謀の裏をかいたりするのが大好きなのだ。
手下が手下を作り、その手下がまた手下を作って手下がどんどん増えてゆく。
影響力が欲しい龍明にとって都合がよかった。
「もっと広がれ。為に生きろ。どんどんやれ」
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2022/02/02 (水) [霊の龍明小説 20 ]
「亡霊が出た、何とかしてくれ。できません。/20-4」からの続き
「文家に宛てた一世信者の手紙」より
龍明小説に転用/組込みました。
生霊が出た という設定です。
霊ノ龍明小説 20-5
[前回より]
不思議な人たちが龍明の周りに出現し、彼を取り囲んだ。亡霊のように行列になって側を通り過ぎて行くこともあった。
彼らは口々に言った。
「私たちが教会に捧げた財産は全部あなたの家族の個人名義に移されてしまった
「裁判資料によれば、文一族の財産は600億ドルにものぼるというじゃありませんか
「献金は教会のためのもの。文一族の個人のためのものではありません
「ああ、悔しい… 悲しい… 恨めしい…
様々な亡霊がゾロゾロ行列になってやってきた。
龍明は悩まされた。
ーわぁ、どうにかしてくれ〜 やめてくれ〜。
地上で信者の家族が怒鳴り込んできた時のように、おばさんの家に逃げて隠れることはできない。
時には、まだ地上に生きている人間が、夜中の夢の中から精霊界に出張してやって来ることもあった。//
伸縮自在の銀色の紐で地上の肉体と繋がっている生霊なのに、亡霊よりも顔色が悪く生気のない人物が、夢のまにまにフラフラとやって来て言うのを聞いた。
「文家の家族たちよ
今ほどあなた方に対して嫌悪と怒りを覚えたことはない。
信者たちの善意に対する虐待に、常日頃、深い嫌悪と怒りを感じながら、あなた方の行動を見、言葉を聞いている。
私は自分が洗脳されたとは思っていない。
私は自分の人生を、魂を、苦労の汗を、
25年以上にわたる働きの成果を進んで教会に捧げました。
文鮮明先生のメッセージを心から信じ、それがより良い人間を作り、ひいては私の子供たちのためにより良い世界を作るのだと願っていました。
文家の子女様たちが成長するのを見たとき、私は彼らを尊敬し、彼ら中に神の愛の新しい純粋な血統の未来があることを信じたのです。
しかし、私が目の当たりにしたのは、私が期待したものすべての腐敗、利己主義、貪欲、不道徳、そして明らかな虐待でした。
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2022/02/18 (金) [霊の龍明小説 20 ]
「一世信者の手紙 文家宛て。生霊が出た、何とかしてくれ。できません 」の続き
集団訴訟が必要では?
実用的でない信者たち。
教会の資産が全て文家族の個人口座に移されていたことを知った一世、二世信者の反応からです。
霊ノ龍明小説 20 -6
前回より:
我が子に懺悔し、毎晩泣きながら幽界を彷徨っている憤慨の一世は、今宵も霧の彼方へ去っていった。
するとすぐに別の生霊が現れた。
先ほどの人物とはうって変わって、脂が浮き出た額が精悍な感じを与えていた。//
数人の若者たちと一緒に姿を現したその人物はこう語り始めた。
「私は1977年に入教した一世だ。
指導的な立場に就いた時期もあったが、2010年にはただの会員に戻った。
私は最善を信じたかったので、文一族のおかしなところを見過ごしてきた。
だが仁進の不倫騒動の後、文家全体が同じであることに気づいたのだ。
私は何も言わずにその場を去り、振り返ることもなかった。
不思議なことに、リーダーは私に何があったか尋ねなかった。
私は教会で得た知識をもとに起業し、うまくいった。
家族も大事にした。
多くの教会の家族がトラブルに見舞われたとき、経済的な支援もした。
今、私は悠々自適のリタイア生活を送っている。
私の子供たちは教会にあまり興味を示さなかったので、自分の道を選ばせている 」
若者の1人が言った。
「ぼくは二世だが、あなたの子供たちはラッキーだな。
うちの両親は未だにぼくの選択を受け入れないし、相変わらずド貧乏な暮らしをしているよ」
「きみのご両親のように、また先ほどまでここでしきりに嘆いていた人のように、経済的に苦労している一世が多いのは残念だが、私のような状況の人が複数いるので、大丈夫な人もいるんだということが言いたかった。
悲惨なことだが、私たち一世の多くは、子供をどのように育て、教育したらよいのかよくわからなかった、そして今、彼らは苦しんでいるのだ」
若者は答えた。
「その通りだ。ぼくも本当にうらめしく思うよ」
一世は続けた。
「私が思うに、1970年代に教会に入った多くの人はあまり実用的ではない。
おそらく別の道を選んでいたとしても、人生の実用的な面では、あまり成功しなかったと思うよ」
「やっぱりそうだよな。笑う気力も出ないね」
一世は気を取り直すように言った。
「私は "彼らに償わせろ "という意見が好きだ。
メンバーたちに起こったことは、正しいことではないんだ。
集団訴訟が必要なのでは?」
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2022/02/22 (火) [霊の龍明小説 20 ]
「集団訴訟が必要では? 実用的でない信者たち/20-6」からの続き
地獄篇のはじまり
ーー知らずに 望んで 地獄行き
さあ、行ってみよう。
文先生と みんなで行けば 怖くない(?)
霊ノ龍明小説 20-7
〈先回より〉
ーー金を俺の懐中(ふところ)に入れたとか悪口を言っているようだが、金は万物の象徴であり、力の象徴なのだ。俺の主管下に集めるのは当然じゃないか。何が悪い!//
ーー金を集めれば、人が集まる。人を集めれば、金が集まる。
人と金が集まれば、影響力が復帰できる。
神を中心に理屈を回せば、原理はどうにでもなる。
影響力を持って、出来合いでない天国を建設するのだ。
だが、ハタと気づくと、この国では、人がいくら集まっても、金は少しも集まってこない。もともとお金が流通していないのだ。
地表に近い低層とはいえ、曲がりなりにも、ここは霊界。
ご飯は、願えば目の前に出てくるし、基本、食べなくてもいつまでも生きていける状態なので、お金など必要ないのだった。
ーーだから俺の影響力も強まらないのか。
教団は、幹部たちが勝手に動き回り、平信徒たちは、その国の名前のごとく不安や不満を募らせているばかりだった。
実は、先だって龍明は、もっと質の良い人々を求めて、天界のほうに行こうとした。
ところが、天界の村の入口に近づくに連れ、人々の味わっている喜びを奪えないことがわかった。
つまり、どうやっても自分の信者にはできないと知ると、もう他人の持っているものが欲しくて渇望が増すばかり。
彼は苦しみ始め、天界ではなく地獄にいるように感じ、一目散に元いた場所に逃げ帰ってきたというわけだ。
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2022/03/01 (火) [霊の龍明小説 20 ]
「地獄篇のはじまりー知らずに望んで地獄行き/20-7」からのつづき
霊ノ龍明
カルマの苦しみ
地獄篇2
霊ノ龍明小説 20-8
着いたそこは一大都市だったが、見渡す限り工場と倉庫ばかりの陰鬱な街だった。
工場の合間合間には、職工たちが大勢たむろしていた。
彼らはどこからともなく次から次へと湧き出て来るような具合で、働き手には事欠かない、工場をやろうという龍明にはうってつけの町のようだった。
銃の特許を持っている自信と強い意志で、工場はすぐに軌道に乗った。
各種部品から機関銃、それからバルカン砲や装甲車まで手を広げた。
総合武器製造の、泣く子も黙る「統一重工業」だ。
どんどん造って、どんどん売りさばいた……はずだった。
ある時、幹部が大慌てでやって来た。
「大変です、出荷したはずの商品が全部戻っています」
「なんだと、返品か? 取引先は何と言ってる?」
「いえ、先方は何も。いきなり、売ったはずの商品が戻って来たというか、ニョキッと出現したのですよ。倉庫にも入り切らず、工場の庭にも山盛り一杯でもう…」
その時、経理担当者が駆け込んできた。
「大変です、集金したはずの代金が消えています」
「なんだと、盗難か? 先方は何と?」
「先方は購入した製品が消えたと騒いでいますが、代金のことはあちらではどうしようもないと…」
「どういうことだ?」
「ですからあちらさんが言うことには、『統一重工業さんは特許保持の最新式の新設工場なので、ちゃんと取引が出来るかと淡い期待をしたが、やはりダメだ、この国の工場はどこもそうなんだ』そうです。『どうしようもない』と…」
「はぁ?!」
龍明は信じられなかった。
だが、大理石の壺や多宝塔を製造する石材工場の方も、同じ状況になっていた。
「と、とにかくすぐに稼働をストップさせろ。それからもっと倉庫を増やすのだ」
ところが、この国には不思議な力が働いていて、どの工場も製造を中止することができない。
ブツブツ文句を言いながらも、どうしたって働き抜かなければならないようにできている。
いくら売っても、商品はまた戻ってくる。
じゃまだからといって、煮ても焼いてもその製品はまた出現する。
だからひっきりなしに倉庫を建てている。
この町がやけに埃っぽく、倉庫ばかりが立ち並んでいるのはそのためだ。
物に依存し、製造物に囚われ、お金に振り回される住人たちの欲心の表れだ。
ここは、彼らのその霊的な発散によって作られている地獄の第三境の巨大都市だった。
霊ノ龍明
カルマの苦しみ
地獄篇2
霊ノ龍明小説 20-8
着いたそこは一大都市だったが、見渡す限り工場と倉庫ばかりの陰鬱な街だった。
工場の合間合間には、職工たちが大勢たむろしていた。
彼らはどこからともなく次から次へと湧き出て来るような具合で、働き手には事欠かない、工場をやろうという龍明にはうってつけの町のようだった。
銃の特許を持っている自信と強い意志で、工場はすぐに軌道に乗った。
各種部品から機関銃、それからバルカン砲や装甲車まで手を広げた。
総合武器製造の、泣く子も黙る「統一重工業」だ。
どんどん造って、どんどん売りさばいた……はずだった。
ある時、幹部が大慌てでやって来た。
「大変です、出荷したはずの商品が全部戻っています」
「なんだと、返品か? 取引先は何と言ってる?」
「いえ、先方は何も。いきなり、売ったはずの商品が戻って来たというか、ニョキッと出現したのですよ。倉庫にも入り切らず、工場の庭にも山盛り一杯でもう…」
その時、経理担当者が駆け込んできた。
「大変です、集金したはずの代金が消えています」
「なんだと、盗難か? 先方は何と?」
「先方は購入した製品が消えたと騒いでいますが、代金のことはあちらではどうしようもないと…」
「どういうことだ?」
「ですからあちらさんが言うことには、『統一重工業さんは特許保持の最新式の新設工場なので、ちゃんと取引が出来るかと淡い期待をしたが、やはりダメだ、この国の工場はどこもそうなんだ』そうです。『どうしようもない』と…」
「はぁ?!」
龍明は信じられなかった。
だが、大理石の壺や多宝塔を製造する石材工場の方も、同じ状況になっていた。
「と、とにかくすぐに稼働をストップさせろ。それからもっと倉庫を増やすのだ」
ところが、この国には不思議な力が働いていて、どの工場も製造を中止することができない。
ブツブツ文句を言いながらも、どうしたって働き抜かなければならないようにできている。
いくら売っても、商品はまた戻ってくる。
じゃまだからといって、煮ても焼いてもその製品はまた出現する。
だからひっきりなしに倉庫を建てている。
この町がやけに埃っぽく、倉庫ばかりが立ち並んでいるのはそのためだ。
物に依存し、製造物に囚われ、お金に振り回される住人たちの欲心の表れだ。
ここは、彼らのその霊的な発散によって作られている地獄の第三境の巨大都市だった。
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2022/03/10 (木) [霊の龍明小説 20 ]
「カルマの苦しみ 地獄篇/20-8」からの続き
統一教会を見極める。
天国クイズ、あ、違った、
地獄クイズ 底の方クイズ
霊ノ龍明小説20-9
1920〜30年代に活躍したメソジスト派復興師の李龍道牧師は、「血分け教の開祖」と位置付けられたりするが、主イエスとの「精神的な交わり」を熱く説いただけであり、血分けとは関係がなかったようだ。
彼は当時の朝鮮の無学な民衆に説明するために、しばしばその一体感を結婚に例えて表現した。
それを不誠実に、捻くれた形で使ったのが新イエス教会の面々や周辺の霊的グループだった。
(李龍道は、新イエス教会設立時に請われて名義を貸したが、当時すでに結核による死の床にあり、数ヶ月後に亡くなっている。)
イエス教会の幹部で、混淫事件を起こし、“混淫派(血分け教)の先駆者”ともいわれる白南柱は、歴史を3期に区分し、当時の国家の動向に関連づけた。
その白南柱の弟子が金百文で、彼は新約時代の「洗礼」に代わる、成約時代の「体礼」という秘密の(血分け)儀式を定めていた。
また金百文は「歴史の同時性」を発案し、李承晩が立つ時期を前後して、“韓国が新しい神の国に選ばれた”と、時の政権に都合の良い内容の啓示を受けたと主張した。文鮮明はその金百文の弟子だった。
〜啓示を受け、時の政権から見返りを受けた金百文牧師
「啓示を狙う啓示泥棒。/龍明小説2-12」
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2022/03/15 (火) [霊の龍明小説 20 ]
龍明小説 紡ぎます(最終回)
最終から最初に封印か?!
ありがとうございました。
霊ノ龍明小説 20-10
このように、統一教会/文鮮明は宗教を語るが、「性」と「権力」に頽(くずお)れた朝鮮の霊的集団の流れから発し、その系列の中でも極端だったことで有名だ。
性儀式の実践のピークは初期の頃だったろうが、その精神は教団内でずっとくすぶり続けた。
クイズ:
六マリアや妾の摂理をはじめ、性の儀式を極端に推し進めた文鮮明教祖が亡くなって、霊ノ龍明となり、霊界で女性を伝道し、性儀式をするとしたらその場所は、さてどこでしょうか?
「ハイッ 欲望地獄です」
「ピンポーン! 地獄の四丁目、欲望地獄、正解です」
クイズ:
文教祖は、KCIAやCIAと関係があり、韓国やアメリカの政権と癒着し、南米の親ナチ独裁政権の戦争に加担する等、政治権力を求め、自らの世界皇帝戴冠式などを何度も行いましたが、
霊界でそのエネルギーを爆発させるとしたら、どこに行ってやるでしょうか?
「ハイッ 残忍地獄です」
「ピンポーン! 地獄の五丁目、残忍地獄、正解です」
絶大な権力を持つ老獪な地獄の皇帝に、龍明は最初のうちは歓迎され、取り立てられたかに見えた。
彼はある程度の位置を与えられ、多くの手下を支配し、自分に服従しない者は残酷に扱った。
が、上には上がいる。彼がいくら狡猾で強くても地獄にはそれ以上に悪辣な存在がいて、利用するつもりが騙されて、地獄を仕切る権力に屈従せざるを得なくなった。
肉体を脱ぎありのままになった姿から、無数の悪や詐欺が次々と現れた。
そこは反乱につぐ反乱の世界だ。
龍明はある戦いでついに追いやられ、第5境の断崖絶壁から落ちた。
多くの人の人生を狂わせた報いなのか、はたまた宗教を金儲けに利用したゆえの天罰か。
自らの塵垢を落とすために相応しい処へと行ったといおうか…
私のような善人()は、そんな地獄の奥の方を詳しく見るのが許されていないので、これらは地獄の元獄卒から聞いたことなのだが。
その元獄卒は、数年前まで地獄の6丁目で長らく釜茹でや切り刻みの刑などをやっていたという。
ちなみに、地獄の拷問は、今はカルマを見抜くAIの管理に移行が進み、釜茹でも切り刻みも針の山も多くはアトラクション形式で行われるという。
彼ら獄卒は、古来からいわゆる地獄の鬼と呼ばれてきた存在だが、罪を重ねた者を浄化・更生させるために、地獄で働いているのであって、あくまでも奉仕、そこに邪悪な意志はないという。
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2022/03/30 (水) [霊の龍明小説 20 ]
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