fc2ブログ

ユーザータグ : 文鮮明の記事 (1/1)

どこにでもいるタイプではなかったようで/龍明小説1-1

 龍明小説1-1

 ノ龍明は、1920年、朝鮮半島北部の寒村で、子だくさん農家の次男坊として生まれた。
 幼い頃、よく1人で裏山に分け入り、森の木々や小動物たちと思う存分戯れて過ごした。8才頃から村の賭博場に出入りし、12、3才まで大人たちを集めて博打場を仕切った。父の牛の売上金をタンスから持ち出し、花札の胴元になって、大金を儲けたり失なったり。勝つと時々人助けらしきこともする、性格の激しいガキ大将だった。

 喧嘩っ早くて強情で屁理屈がうまく、「牛を殺す」と言えば殺し、「火を放つ」と言えば放つ、有言実行。気に入らないことがあると一日中大声で泣き喚くので、大人たちは手を焼いた。親戚からは「あいつは王でなければ逆賊にしかなりえない」と言われ、その極端な言われようが自分でも気に入っていた。

[ 続きを読む » ]
関連記事
スポンサーサイト



神霊集団 カッコいいのか、だらしないのか/龍明小説1-2

『龍明小説1-1』からの続きです。


龍明小説1-2

 
 そのころ朝鮮では、後にキリスト教主流派から異端認定をくらう 神霊集団が起こって話題となっていた。
 きっかけとなったのは、メソジスト派の復興師、イヨンド牧師だ。彼は数年後に33歳で早世するが、多才で感受性豊か、普段は無口だが、復興師として集会に招かれると、聖霊が臨んだかのように熱狂的に説いて叫んだ。

 「主の愛に飲み込まれよ! 
 さすれば合一の原理によって
 主は汝の信仰に飲み込まれる!
 主と血が混ざり合うのだ! 
 神と愛で融け合うのだ!」 
[ 続きを読む » ]
関連記事

秘められた血分けへの誘(いざな)い/龍明小説1ー4

龍明小説1ー3からの続きです。


龍明小説1ー4

 縁あって龍明は、かの神霊教団の1つ、新イエス教会の学生メンバーになった。イヨンド(李龍道)系統のイエス教会の集会は、神秘に没入し現実世界も手に入れたい野心ある龍明の気質に合っていた。若く血の気が多い彼は、主との血の混合を説くイエス教会の汎性欲主義的な愛の原理に捕らわれてしまった。


 漢江のほとり、明水台にあるイエス教会に足繁く通い、子供たちが集う日曜学校の先生役を務めるようになった。礼拝では大勢の年長の信徒たちの前で立ち上がり、涙に咽ぶ熱烈な代表祈祷をして、婦人信者を感動させた。

 祈祷が終わった時、1人の感極まった婦人が駆け寄って来て彼をハグした。ぷよぷよした肉厚の腕でぎゅーと抱きしめてきて、ウチに下宿しなさいよと誘った。
 ソウル上京後3年目のこと、彼は下宿先をそのリー夫人の家へ移した。資産家らしい立派な家で、十代の娘が2人いた。
[ 続きを読む » ]
関連記事